ロシア企業、カザフスタンの地方空港運営へ参画

(カザフスタン、ロシア)

タシケント発

2023年02月27日

ロシアの地方空港を運営する企業「アエロポルティ・レギオノフ(地方空港)」は2月10日、西カザフスタン州オラル市にあるオラル国際空港の運営会社を買収したと発表した。買収額は公表されていない。年間旅客数が30万人を超える同空港の将来性を見込み、空港施設の近代化とサービスの充実を図る。

オラル国際空港は、1972年に建設された空港で老朽化が進んでいたが、2018年にターミナルビルの再建と政府支援による近代化事業が開始した。66億テンゲ(約19億8,000万円、1テンゲ=約0.3円)を投じて、2022年に完工した(ゾーナkz 2月16日)。2022年3月には、第二次世界大戦の地元の英雄の名をとって「マンシュク・マメトワ空港」と命名された(カズインフォルム2022年3月28日)。

アエロポルティ・レギオノフは、ロシア国内でプラトフ空港(ロストフ・ナ・ドヌ)、コリツォボ空港(エカテリンブルク)、クルモチ空港(サマラ)などの地方空港運営を手掛ける。近年では、カザフスタンやウズベキスタンなど中央アジア方面への空港運営参画にも関心を示していた。

一方、現地報道では、今回買収企業とされるアエロポルティ・レギオノフがロシアの富豪で西側諸国の制裁対象でもあるビクトル・ベクセルベルク氏が所有する企業の傘下にあり、空港自体も制裁対象とされる懸念の声が報じられている(ウリスメディア2月11日)。戦略上の重要施設の運営権を隣国に委ねることを警戒する市民の声も出ている。西カザフスタン州政府は、空港施設の所有権は国に帰属し、運営会社資本の過半数以上はカザフスタン投資家が所有していることを強調している(アザッティク・ラジオ2月13日)。

(増島繁延)

(カザフスタン、ロシア)

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