米サンフランシスコ市の2022年の犯罪件数は5万3,000件以上、2020年から増加傾向

(米国)

サンフランシスコ発

2023年02月02日

米国サンフランシスコ市警察によると、2022年のサンフランシスコ市(人口:約86万6,000人)の犯罪件数は5万3,485件で、2020年(4万4,653件)、2021年(5万704件)と経年で増加傾向にある(注)。内訳は多い順に、窃盗3万5,627件、車上荒らし6,300件、住居侵入強盗5,977件となっている。日本からの出張者が車上荒らしの被害に遭う事例も確認されている。

非営利経済団体のベイエリアカウンシルが2022年3月2~9日に実施し、1,000人から回答を得た調査によると、懸念される犯罪として、車・住居への侵入(91%)、暴力犯罪(86%)、公共での薬物使用(83%)などが挙がった。また、65%は犯罪を恐れ、ベイエリアの大都市のダウンタウンに行くことを回避していると回答した。

カリフォルニア州では、2023年1月に入り、ロサンゼルス郡のモントレーパーク、サンマテオ郡のハーフムーンベイで死者を出す銃乱射事件が発生した。セキュリティー不安がビジネスに与える影響も懸念される。サンフランシスコ日本町でビジネス支援を行う団体の関係者は「銃乱射事件が身近で発生し、衝撃を受けている。セキュリティー不安はビジネスにも影響する。警察や地域のコミュニティーなどと連携し、サンフランシスコ日本町の治安を守っていきたい」などと述べた。

サンフランシスコ市中心部では、新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、人の移動が依然として鈍い。米国不動産管理システム会社キャステールによると、サンフランシスコ都市圏のオフィス稼働率は1月18日時点で43.3%にとどまる。また、ベイエリア地区5郡を結ぶ鉄道「BART」の2022年の各月乗降客数は、新型コロナウイルス禍前に当たる2019年の約3分の1程度となっている。

(注)新型コロナウイルス禍前の2019年は5万7,851件

(石橋裕貴)

(米国)

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