2023年に向けてASEAN高級経済実務者の非公式会合を開催
(ASEAN、インドネシア、タイ)
バンコク発
2023年01月11日
タイ商務省貿易交渉局(DTN)は12月13日、インドネシアのジャカルタで同月6日から7日にかけて実施されたASEAN高級経済実務者会合(SEOM)リトリート(非公式会合)の結果を発表した。インドネシアがASEAN議長国の2023年に、ASEANとして経済分野のどの項目に焦点を当てるか、また、作業計画のスケジュールなどを議論した。
インドネシアはASEAN議長国としてのテーマを「ASEAN Matters:Epicentrum of Growth(ASEANは重要:成長の中心)」とした。その上で、テーマに沿った以下の3つの戦略を発表した。
- リカバリー:市場の連結と競争力の強化により経済回復を促進
- デジタライゼーション:デジタルトランスフォーメーション(DX)と全てのセクターのデジタル経済への参加を加速
- サステナビリティー:新たな課題に備えつつ、将来にわたって持続可能な成長を促進
今回のSEOMでASEANの経済高官らは、ASEANサービス円滑化枠組みの開発や、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の電子原産地証明書のeフォームDの完全実施、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿うASEAN製品基準の改定、貿易円滑化、基準・ルールの統一、デジタル技術の活用による域内でのビジネスコスト削減といった重要課題の推進を確認した。
第2回ATIGA改定交渉を実施
DTNの12月16日の発表によると、AEMリトリート後の12月8日から10日にかけて、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の改定(2022年10月19日記事参照)に向けた貿易交渉委員会(ATIGA-TNC)第2回会合が実施された。会合では、最恵国待遇についての改定、関税品目分類コードの更新、税関手続きのベストプラクティスやグリーン経済に基づく貿易促進といった新たな条文の検討などが行われた。2月にはインドネシアのバンドンで、共同ビジネス協議会(JBC)との会合を実施し、民間企業からの意見を聴取する予定。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(ASEAN、インドネシア、タイ)
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