米EU関税割当(TRQ)協定署名、米国は英国離脱後のEUへの農産物輸出で有利な市場アクセスの回復見込む
(米国、EU、英国)
米州課
2023年01月18日
米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表と、EUスウェーデン政府代表部のミカエル・リンドバル大使、欧州委員会のマイケル・スキャネル農業・農村開発担当副総局長は1月17日、米国EU関税割当(TRQ)協定に署名した。
USTRの発表によると、同協定の施行により、米国は、2021年1月1日に英国がEUを離脱した後も、EUにおけるさまざまな農産物市場への既存のアクセスを維持することが可能になるとしている。
新たなTRQの割り当ては、EU加盟国27カ国へこれまでの農産物輸出のパターンを基に定められており、同協定により、米、アーモンド、小麦、トウモロコシなどをはじめとする複数の米国産農産物について、有利な市場アクセスの回復が見込まれるとしている(具体的な品目ごとの割当率については、USTR発表の協定書リンクを参照)。
USTRは2021年3月8日付ニュースリリースで、2020年1月末の英国のEU離脱(2020年1月31日記事参照)による、TRQのEUと英国の案分調整に関するEUとの交渉について、2年にわたる交渉プロセスを無事終えたと発表した。併せて、EUの正式承認が完了し次第、TRQ協定に署名し、執行するとしていた。当時のUSTRのマリア・ペイガン代表代行はEUとの交渉完了を喜ぶとともに、「この協定の実施により、米国の生産者とEUへの輸出業者に市場アクセスの確実性がもたらされる」とコメントしていた。
米国からEUへの農産物輸出実績は2022年1~11月で111億ドル相当だった。
(高山さわ)
(米国、EU、英国)
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