米連邦下院議長選は2日目も選出に至らず、議事運営が膠着
(米国)
ニューヨーク発
2023年01月05日
米国連邦議会下院は1月4日、議長選出のための投票を3回実施したが、過半数の賛成票を得た候補者はいなかった。議長を選出できなければ、法案審議など通常の議事運営が開始できず、政治の停滞につながりかねない。
第118議会の初日に当たる1月3日には、2022年11月の中間選挙で下院の多数党を奪還した共和党の下院トップ、ケビン・マッカーシー議員(カリフォルニア州)が選出されるとみられていた。しかし、共和党内から造反が出たため、3回投票を実施したにもかかわらず、過半数を取れず議長に選出されなかった(2023年1月4日記事参照)。2日目の4日も通算で4~6回目に当たる計3回の投票が行われたが、事態を打開できず、いったん閉会となった。基本的な構図は初日から変わらず、6回目の投票では、民主党の全議員(212人)が同党下院トップのハキーム・ジェフリーズ議員(ニューヨーク州)に投票し、共和党議員は全222人のうち、マッカーシー議員に201票、対立候補のバイロン・ドナルズ議員(フロリダ州)に20票、賛否を示さない出席(present)票に1票を投じた。
こうした膠着(こうちゃく)状態を受け、共和党内では、親マッカーシー議員派と反対派から4人ずつ代表議員を選定し、事態の打開に向けた協議を行う案が検討されているもよう(CNN1月4日)。しかし、反対派のローレン・ボーバート議員(コロラド州)は、ドナルド・トランプ前大統領が反対派にマッカーシー議員へ投票するよう電話で説得してきたと明かした上で、トランプ氏は逆にマッカーシー議員に対して撤退するよう説得すべきだと発言するなど、協議の先行きは不透明な状況となっている(「ワシントン・ポスト」紙電子版1月4日)。
なお、下院は米国東部時間午後8時に審議を再開したが、共和党議員の賛成多数で休会動議が可決され、5日正午(日本時間6日午前2時)まで休会となった。
(磯部真一)
(米国)
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