東京ガスなど4社、米キャメロンLNG基地活用し日本への合成メタン導入を検討
(米国、日本)
ヒューストン発
2022年12月07日
東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、三菱商事は11月29日、米国テキサス州およびルイジアナ州における合成メタンの製造、キャメロン液化天然ガス(LNG)基地およびLNG船・受け入れ基地などの既存LNGサプライチェーンを活用した合成メタンの液化・輸送、ならびに2030年の日本への合成メタン導入開始に向けた検討に着手したと発表した。4社は2030年に年間13万トン(注)の合成メタンを製造し、日本への輸出を目指すとしている。
日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現には、熱需要に対応するガス体エネルギーの脱炭素化が重要だ。こうした中、既存の都市ガスインフラや消費機器が活用でき、スムーズなカーボンニュートラル化への移行と追加的な社会コストの抑制が両立可能な合成メタンの導入が期待されている。合成メタンの活用拡大に向けて、2021年6月に設立されたメタネーション推進官民協議会において議論が進められており、4社はともに参画している。
合成メタンの普及には、国内外での取り組み推進が有効であり、特に安価な再生可能エネルギー電力などを活用した競争力の高い合成メタンが製造できる海外でのサプライチェーンの構築が重要だ。今回、原料を安定的に調達するための既存インフラがそろい、早期のサプライチェーン確立を図れるという点で、米国キャメロンLNG基地近傍を4社共同で取り組む最有望地域として選定したとしている。4社は今後の合成メタン導入の拡大やエネルギーセキュリティー向上に向けて、他地域・案件における適地選定や事業可能性検討を継続するほか、合成メタンの製造規模と国際的なサプライチェーン確立を目指し、取り組みを本格化、加速化する方針だとしている。
(注)2030年輸出開始時点での合成メタン製造規模の目標として掲げたもの。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスの都市ガス需要合計(足元の実績値)の1%に相当。
(沖本憲司)
(米国、日本)
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