新型コロナ感染者が増加傾向に、空港・公共交通機関でのマスク着用を再び義務化
(ブラジル)
サンパウロ発
2022年11月30日
ブラジルの国家衛生監督庁(ANVISA)は11月23日、国内の空港施設や航空機内でのマスク着用を義務化するRDC決議第761号を発表した(注)。11月25日から施行した。
ブラジル国内では、8月17日にマスク着用義務を撤廃して以降(2022年8月22日記事参照)、約3カ月後に再び着用が義務化されたことになる。保健省のデータによれば、疫学週第44週(10月30日~11月5日)の新型コロナウイルス新規感染者数は2万6,304人だったが、その後3週連続で増加し、疫学週第47週(11月20日~11月26日)では14万2,294人となった。11月25日の新規感染者数は4万4,830人で、4万4,592人を記録した7月28日以来、最大となった。新型コロナワクチン接種率の状況について、保健省傘下のオズワルドクルス財団のデータで確認したところ、11月10日時点で1回接種済みが総人口比で85.3%、所定の回数接種済み(1回または2回)が80.79%となっている。一方、ブースター接種(3回)まで接種済みは55.7%に上まっている。保健省はこうした状況を踏まえ、11月25日付の保健省公式サイトで、ブースター接種の重要性をあらためて強調した。
サンパウロ州政府も11月24日付州政令67.299号により、公共交通機関でのマスク着用を義務化した。11月26日から施行した。サンパウロ州政府は、集中治療室(ICU)の占有率が増加傾向にあり、公的および民間の医療システムが逼迫していることを踏まえたものとしている。これを踏まえ、日本などからの出張では引き続き徹底した感染対策が求められる。
(注)アクリルとプラスチックタイプのマスク、バルブ付きマスク(N95、PFF2タイプを含む)、スカーフや布製のバンダナなどの着用は禁止されている。詳細はRDC決議第761号第3条を参照。
(古木勇生)
(ブラジル)
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