2023年の世界の半導体市場は縮小の予測、2022年の伸び率も鈍化
(世界)
中国北アジア課
2022年11月30日
世界半導体統計(WSTS)は11月29日、2022年秋季半導体市場予測で、2022年の半導体市場は前年比4.4%増の5,801億ドルになるとの見通しを発表した。8月に発表した見通し(13.9%増)から大幅な下方修正となった。WSTSは伸び率が鈍化した背景として、インフレの進行と個人消費などの市場需要の弱まりを指摘している。
商品別にみると、全体の82.7%を占める集積回路(IC)について前年比3.7%増と予測。うち、アナログICは20.8%増、ロジックICは14.5%増といずれも2桁増を予測した一方、メモリーICは12.6%減、マイクロICは1.8%減を見込んだ。国・地域別では、米州は17.0%増、欧州は12.6%増、日本は10.0%増を予測した一方、全体の57.9%を占めるアジア大洋州(日本を除く、以下同)で2.0%減との予測を示した。
2023年の半導体市場は縮小へ
2023年の市場規模については、前年比4.1%減の5,566億ドルと、8月の見通し(4.6%増)から一転して縮小を予測した。伸び率がマイナスとなるのは、半導体産業の景気循環(シリコンサイクル)が後退局面にあった2019年以来、4年ぶりとなる(添付資料図参照)。
商品別では、ICで前年比5.6%減の縮小を見込む。とりわけ、全体の24.6%を占めるメモリーICで17.0%減と大幅な落ち込みを予測した。その他の商品の予測値は、マイクロICが4.5%減、ロジックICが1.2%減、アナログICは1.6%増となっている。国・地域別では、アジア大洋州が7.5%減となる一方、その他の地域では米州で0.8%増、欧州で0.4%増、日本で0.4%増と2022年からほぼ横ばいの市場規模を維持すると見込んだ。
(柏瀬あすか)
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