バイデン米大統領、CHIPSプラス法実施の大統領令に署名、運営委員会を立ち上げ
(米国)
ニューヨーク発
2022年08月26日
米国のジョー・バイデン大統領は8月25日、同月初旬に成立した「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法(H.R.4346)」(2022年8月10日記事参照)の実施に関する大統領令に署名した。
CHIPSプラス法には、米国内での半導体製造に関する投資に対して、企業に直接的な資金援助や税額控除を与える内容が含まれている。大統領令の要旨を説明したファクトシートによると、法の実施に当たって、(1)省庁横断の運営委員会の設立、(2)優先事項の設定が柱となっている。(1)についてはホワイトハウスのブライアン・ディーズ国家経済会議(NEC)委員長、ジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障)、アロンドラ・ネルソン科学技術政策局長代行が共同議長を務め、関係閣僚など政府高官が委員となっている。
(2)は次の6点を追求していくとしている。
- 納税者の税金の保護:(資金援助などの)申請に対して、コンプライアンスと説明責任に基づく精査を行う。
- 経済と安全保障上の必要性を満たす:同法は米国の生産性と競争力を引き上げる国内の製造能力を構築することで半導体の外国依存を軽減し、経済と安全保障上のリスクに対応しなければならない。
- 半導体分野での長期的なリーダーシップを確保する:同法は未来の産業での米国の長期的なリーダーシップを確保すべく、半導体の研究やイノベーションのためのダイナミックかつ協力的なネットワークを構築する。
- 地域の製造・イノベーションクラスターを強化・拡大する:同法は多くの企業に利益となるよう、半導体関連の地域的な製造・イノベーションクラスターの拡大、創出、連携を円滑化する。
- 民間投資を促進する:同法における政府の役割は、生産、ブレークスルー技術、労働者への大規模な民間投資を最大化するために、資金的なインセンティブを与えることにある。
- 幅広い利害関係者と地域への利益を生み出す:同法は、スタートアップや労働者、マイノリティー、退役軍人、女性が経営する事業や地方事業を含む社会的・経済的に不利な事業、大学、州や地域の経済に対して利益を生み出す。
また、半導体関連の資金援助プログラムを統括する商務省は、プログラムの最新情報を提供する専用ポータルサイト「CHIPS.gov」を立ち上げたと発表した。ジーナ・レモンド商務長官は「可能な限り迅速な資金配分に取り組む一方、必要なデューディリジェンスを行う時間も確保する」としている。
(磯部真一)
(米国)
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