OPECプラスが第29回閣僚級会合で追加増産に合意

(世界、中東、ロシア、ウクライナ、欧州)

中東アフリカ課

2022年06月03日

OPEC加盟国とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は、6月2日のオンラインの閣僚級会合(第29回OPECおよび非OPEC閣僚級会合)で、追加増産に合意した。前回の会合までは、ウクライナ情勢などによる原油価格の高値が続く中でも、見送っていた(2022年5月9日記事参照)。

OPECはプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、これまでの生産調整計画(注)に従い、6月までは月間生産量を日量43万2,000バレルずつ緩和してきたが、2022年7月と8月には、日量64万8,000バレルに上方修正すると発表した。背景として、世界各地のロックダウン解除による経済再開や、世界の製油所の取扱量増加による需要増などを考慮したとしている。

今回の決定を受けて、米ホワイトハウスの報道官は歓迎の意を示すとともに、サウジアラビアとOPECが果たした役割を称賛したと報じられている。またEUは、5月30日の首脳会議で、6カ月以内に海上輸送によるロシア産原油、8カ月以内に石油精製品の輸入を停止する方針で原則合意し、6月2日に正式に承認した。

原油価格は2022年以降、3月8日の最高値からはやや落ち着きを見せたものの、5月は上昇傾向となっていた(添付資料表参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によれば、5月31日時点で米WTIが1バレル当たり114.38ドル、北海ブレントが125.53ドルとなっている。

OPECプラスは次回の第30回会合を6月30日に開催予定としている。

(注)OPECプラスは2021年7月の第19回閣僚会合で、同年8月以降は原油の協調減産量を毎月日量約40万バレルずつ緩和していく方針を決定している。

(米倉大輔)

(世界、中東、ロシア、ウクライナ、欧州)

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