中国、就労ビザ申請の招聘状(PU)が不要に

(中国、日本)

北京発

2022年06月17日

在日中国大使館は6月17日、中国に入国するビザ申請に必要な資料を更新し、中国の政府機関が発給する招聘(しょうへい)状(PU)の提出が必要とされるのはFビザ(注1)、Mビザ(注2)のみとした。発表は即日有効となる。今回の措置で、日本について中国での就労者が取得するZビザや、就労者の配偶者、18歳未満の子女、父母、配偶者の父母などが主に取得するSビザなどは招聘状が不要となり(注3)、ビジネス上の日中の往来改善が見込まれる。また、6月13日には在米中国大使館、16日には在駐英中国大使館が同様にFビザ、Mビザのみに招聘状を求める発表をしている(日付はいずれも各大使館ウェブサイトに記載のもの)。

これまで、新型コロナウイルスの水際対策として、日本を含む多くの国で中国入国のためのビザ申請に当たり、通常の申請書類に加えて招聘状の提出が求められてきた。

日本についても、多くの場合はビザ取得に招聘状が必要とされてきたが、地方によっては発給を停止していたり、滞っていたりするなどの状況があり、出張や駐在員の赴任、帯同家族の訪中に大きな影響が生じていた。中国に進出する日系企業などで構成する中国日本商会も「中国経済と日本企業2021年白書」などで招聘状の迅速な発給を訴えてきた(2021年6月17日記事参照)。6月に入り各国で条件緩和の動きが出ていた(2022年6月13日記事参照)が、今回の発表で日本についても緩和が確定した。

なお、依然として招聘状が必要なMビザは、主に出張に使用されるため(注4)、ビジネス上の往来のさらなる活発化に向け、一段の条件緩和が求められる。

(注1)外国人の中国での交流・訪問・視察などのためのビザ。

(注2)商業貿易活動のためのビザ。

(注3)ビザの種類によっては、従来、中国に居留している家族からの招聘レターや関係組織による招聘状が必要とされているものがある。

(注4)6月17日時点で、日本人に対する滞在期間が15日間までの査証免除措置は暫定停止されている。

(河野円洋)

(中国、日本)

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