国務院、乗用車取得税の減額など経済安定化に向けた一連の措置を発表

(中国)

北京発

2022年06月02日

国務院常務会議は5月23日、経済の安定化に向けた一連の措置を発表した。会議では「経済の下押し圧力が増しており、市場主体が大きな困難に直面している」と指摘し、新型コロナウイルス感染対策と経済・社会の発展を効率的に調整し、合理的な範囲内で経済を運営するべく、強力かつ効果的な措置を講じることを決定した。

国務院は新型コロナウイルス感染拡大による影響を緩和するため、自動車購入規制の緩和などの消費促進策をはじめ、税還付や未払い金問題の解決などを含む中小・零細企業支援策などを相次ぎ打ち出している(2022年4月22日記事5月6日記事5月12日記事参照)。今回の措置には財政、金融、サプライチェーンの安定化、消費・投資の促進など6分野33項目(添付資料表参照)が盛り込まれている。

具体的には、税還付額を1,400億元(約2兆6,600億円、1元=約19円)以上増額し、2022年にかかる通年の減税・税還付総額を2兆6,400億元とする。また、中小・零細企業、個人事業主、特に困難に直面している業種を対象に、社会保険料の納付猶予措置を2022年末まで延長するほか、水道・電気・ガス料金、家賃支援を強化する。

金融面では、中小・零細企業および個人事業主向けの貸付金やトラック購入ローン、一時的に困窮している個人の住宅購入ローンなどについて、銀行による2022年内の元利返済猶予措置を支持する。また、中央国有企業(注)が貸し付けを行っている900億元分の商用トラック購入ローンについては、金融機関と連携し、返済期限を半年間延長する。

サプライチェーンの安定化については、円滑な輸送を保障し、新型コロナウイルス感染の低リスク地域における通行規制を撤廃し、高さ制限などの不合理な規定や料金の徴収を一律に撤廃する。旅客航空便の国内・国際線を段階的に増加させ、外資系企業関係者の往来を円滑化する措置を策定することも盛り込まれた。

消費・投資の促進については、一部の乗用車の取得税を600億元減額するほか、大型灌漑システムなどの水利施設、老朽化した集合住宅の改造等の新規プロジェクトを実施する。

中国自動車工業協会によると、中国における4月の新車販売台数は前年同月比47.6%減の118 万1,000 台とほぼ半減した。中信証券は、今回の乗用車取得税の減額措置は100万~200万台の新たな乗用車需要を生み出すと見込み、自動車産業の回復と長期的発展につながるとしている(「財経」5月24日)。

そのほか、住宅・都市農村建設部、財政部、中国人民銀行(中央銀行)は5月24日、住宅積立金に関する支援策を発表し、住宅積立金の納付猶予や賃貸費用を支払う際の住宅積立金の引き出し可能額を増やすとした。

(注)国有資産監督管理委員会が政府を代表して、出資者の権限を行使する国有企業。

(張敏)

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