米ウーバーイーツ、ロサンゼルス近郊で自動運転デリバリーを試験的に開始
(米国)
サンフランシスコ発
2022年05月24日
オンデマンドのデリバリーサービスを展開する米国のウーバーイーツ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は5月15日、ロサンゼルス近郊で2種類の自動運転デリバリーサービスを試験的に開始すると発表した。同社は、歩道を走る小型自動デリバリーロボットのサーブ・ロボティクス(本社:カリフォルニア州レッドウッドシティ)と、自動運転技術を開発するモーショナル(本社:マサチューセッツ州ボストン)と協業する。どちらもカフェなど少数店舗への注文に絞ってサービスを開始し、サーブ・ロボティクスは小型ロボットを使い、ウエストハリウッド市内の短い区間で実施する一方、モーショナルは電動の自動運転車を使い、サンタモニカ市での比較的長い区間で商品を配達する予定だ。商品が届け先に到着すると、利用客は携帯電話に送られたパスコードを使って小型ロボットまたは自動運転車両を開錠し、商品を受け取る仕組みになっている。
カリフォルニア州では、自動運転車によるサービス提供の対価として利用者に料金を請求するには、同州運輸局(DMV)が発行する公道利用許可証が必要となる(注1、2019年12月25日記事参照)。現時点でモーショナルが取得している許可証は、ドライバーが乗車する試験走行のみ可能なため、今回のパイロットプログラムでは、同社のサービスに料金は発生しない。また、同社のサービスには、安全性の観点からドライバーが同乗することになっている。
他方、今のところ、歩道での自動運転デリバリーを取り締まる州法は存在せず、サーブ・ロボティクスのサービスには料金が発生するようだ。同社の最新ロボットは、特定エリアで完全自動運転が可能で、レイダー(注2)や超音波センサー、カメラを搭載している。今回のプログラムでは、オペレーターが遠隔から監視し、道路を渡る際など必要に応じてオペレーターが操作する(テッククランチ5月15日)。
モーショナルはこれまで、リフトとの協業を通じてロボタクシーなどに注力してきたが(2021年11月15日記事参照)、ウーバーとのパートナーシップを契機に自動運転デリバリー市場にも参入することになった。
(注1)現時点でカリフォルニア州DMVから公道利用許可を取得しているのは、クルーズ、ニューロ、ウェイモの3社のみ。
(注2)Light Detection and Ranging:レーザー光を発射し、物体に反射して戻ってくるまでの時間を計測する技術。
(田中三保子)
(米国)
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