炭素税を2022年7月ごろから導入の見通し
(インドネシア)
ジャカルタ発
2022年04月06日
インドネシア政府は3月30日、炭素税を2022年7月ごろに導入する見通しを発表した。2021年10月に施行した「税法の調和に関する法律2021年第7号」に基づき、4月1日からの導入を目指していたが、約3カ月延期する方向だ。財務省財政政策庁(BKF)のフェブリオ・ナサン・カチャリブ長官は延期の理由について「炭素税政策の技術的規則が定められていないため」とし、炭素税の導入に向け準備を進めている段階だとした(「コンパス」紙4月2日)。
法律2021年第7号(2021年10月29日公布・施行)は、2060年までの温室効果ガス実質ゼロ排出を達成するため、「炭素税ロードマップ」を作成することを規定した。その優先ターゲットとなるセクターとして、エネルギー・運輸部門、林業部門を挙げた。また、炭素税については、2022年から2024年までは石炭火力発電所に限定して適用することを定めた。その上で、2025年以降は経済状況や関連セクター・関係者の準備状況、炭素税がもたらす影響を考慮し、段階的に炭素取引の完全な実施と対象セクターの拡大を行うと規定した。
今回の発表に関して、インドネシア経済改革センター(CORE)の事務局長であるモハマド・ファイサル氏は、技術的規則の準備が整っていないことは残念だとしながらも、政府の延期決定に一定の評価をしている。同氏は炭素税の導入に際して「混乱や論争を引き起こすことなく、政策の概念と目的を達成できるしっかりとした運用規制が必要だ」とし、導入する段階で、政府はどのセクターが課税対象であるか、基準は何か、課税額はいくらかを明確にしなければならないとした(「bisnis」紙3月30日)。
(尾崎航)
(インドネシア)
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