米石油大手エクソンモービル、テキサス州で水素製造・CCSを計画

(米国)

ヒューストン発

2022年03月04日

米国石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は3月1日、同社の操業や地域産業から排出される二酸化炭素(CO2)を削減するため、テキサス州ベイタウンの複合施設での水素製造とCO2回収・貯留(CCS)を計画していると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同計画では、1日当たり最大10億立方フィート(約2,830万立方メートル)のブルー水素(注1)を生成するとしている。また、CCSについては、新たに年間最大1,000万トンのCO2輸送・貯留が可能になるとし、これにより同社の輸送・貯留能力は現在の2倍以上に増加するという。

水素を燃料として活用することにより、ベイタウンの複合施設でのスコープ1(注2)とスコープ2(注3)のCO2排出量を最大30%削減でき、2050年までに操業施設からの温室効果ガス排出量をゼロにするという同社の目標(2022年1月19日記事参照)の達成を支援するものとなる。

同プロジェクトは、2030年までに年間約5,000万トン、2040年までに年間1億トンのCO2を回収・貯留する計画(2021年4月21日記事参照)の達成にも貢献するものとされている。また、利害関係者の支援や、規制上の許可、市場動向も踏まえ、最終的な投資決定を2~3年以内に予定するとしている。

エクソンモービルは現在1日当たり約15億立方フィートの水素を製造している。また、同社は30年以上にわたってCCSに取り組んでおり、現在保有する操業施設のCCS容量は年間約900万トンで、世界全体のCCS容量の約5分の1を占める。

エクソンモービルは2021年12月1日に、2027年までに合計150億ドルを低炭素に投資すると発表している(2021年12月3日記事参照)。

(注1)化石燃料を原料とする。ただし、製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)を回収・貯留(CCS)、回収・有効利用・貯留(CCUS)を行い、有効利用または地中に貯留

(注2)京都議定書で定めたCO2、メタン(CH4)など6つの温室効果ガスの直接排出量

(注3)エネルギー起源間接排出量

(沖本憲司)

(米国)

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