地域活性化に向けた「レベリングアップ白書」を発表
(英国)
ロンドン発
2022年02月04日
英国政府は2月2日、英国全土の地域活性化(レベリングアップ)のための計画「レベリングアップ白書」を発表した。同白書では、国内の地域格差是正に向けた新たな政策の立案・実施方法が示されており、その中心として、12項目のミッションが挙げられている。いずれも2030年までの達成を目指すもので、進捗状況もモニターする。
主なミッションの概要は以下のとおり。
- 国内の全ての地域で国際競争力のある都市を育成するとともに、給与、雇用、生産性を拡大し、地域格差を縮小させる。
- イングランド南東部以外の研究開発への国内公共投資を少なくとも 40%増やす。また、長期的な技術革新、生産性拡大を促すため、公共投資の増額分の2倍の民間投資を動員することを目指す。
- 全国の地域公共交通機関の連結性を高め、ロンドンの水準に大幅に近づける。
- 全国を高速ブロードバンド導入地域、第4世代移動通信システム(4G)対応地域とするほか、人口の大半が第5世代移動通信システム(5G)を利用できるようにする。
- 全国で質の高い技能訓練を修了する者の数を大きく増やす。
- 賃貸住宅居住者の住宅所有を支援するほか、質の低い賃貸住宅の数を半減させる。
具体的には、国内の20の都市中心部などを支援、都市部の再生を図る。また、国内3地域を中心にイノベーションアクセラレーターへ投資し、地元企業や研究機関を支援するとした。
ボリス・ジョンソン首相は「この白書は、全国における研究開発への公共支出の増加、交通網の整備、あらゆる地域におけるブロードバンドの高速化、平均寿命の延伸、暴力犯罪の減少、学校の改善、民間投資の開放という将来に向けた展望を示すもの」とした。また、白書に基づき、引き続き課題に取り組み、国民のニーズに応えることを保証するとした。
(宮口祐貴)
(英国)
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