中国、飲食業や小売業などに焦点を当てた業界支援策を発表
(中国)
北京発
2022年02月25日
中国の国家発展改革委員会など14部門は2月18日、「サービス業分野の困難な状況にある業種の発展回復促進に関する若干の政策」(発改財金〔2022〕271号)を発表した。
国家発展改革委員会は、同政策を発表した背景として、これまでの新型コロナウイルスの影響緩和政策の多くは効果をあげていると評価しつつ、飲食業、小売業、観光業、運輸業、航空業といった人の集まりや接触が起こりやすい業種は、「新型コロナ禍」の影響を大きく受けており、依然厳しい状況にあるとの認識を示した。今回の政策は、特にこれらの業種により焦点を当て、より支援を強化するためのものとしている。対象となる業種と、業種ごとの主な支援内容は以下のとおり。
〇サービス業全体:増値税などの減税、減価償却の前倒し計上、失業保険料や労災保険料の引き下げなど。
〇飲食業:従業員への定期的なPCR検査費用補助、飲食デリバリーサービスなどのインターネットプラットフォーム企業のサービス料基準のさらなる引き下げ、担保を必要としない貸し付けの増加、高齢者への飲食サービス提供に対する地方政府の支援など。
〇小売業:従業員への定期的なPCR検査費用の補助、農産品サプライチェーンの強化、失業保険料や労災保険料の納付猶予、緊急時の物資の供給に貢献する企業などの政府推薦企業への優遇融資、政府系融資担保機関の中小・零細企業への支援強化など。
〇観光業:観光業者が政府へ納付した保証金の一時的返還比率の維持・引き上げ、失業保険料や労災保険料の段階的な納付猶予措置の実施、会議会場や宿泊先の確保などに関する政府調達の条件としてホテルのランクや所有制度による制限を行わないなど。
〇道路・水路・鉄道輸送業:増値税の前置納付(予定納税)の停止・免税などの実施、新エネルギーバス車両購入への補助金支給の継続、地方政府による新エネルギータクシーや都市交通運営事業者への財政支援など。
〇航空業:増値税の前置納付(予定納税)の停止(1年間)、空港などにおける新型コロナウイルス予防措置支援、航空インフラ整備支援、航空燃料の値下げなど。
また、今回の政策では、新型コロナウイルス予防・抑制措置について、科学的かつ、より精確に実施する点も盛り込まれた。主な点は以下のとおり。
- ビッグデータの活用による従業員データベースの構築を通じ、ワクチン接種の徹底や健康状況のモニタリングの精確な実施。
- 各地方政府が、レストラン、スーパーマーケットなどに対して、政策上の根拠なく営業停止置をとることや、国(国務院共同予防・抑制メカニズム)の許可を得ずに、国が定めた基準を上回る予防・抑制措置を加えることなどを禁止。
国家発展改革委員会の趙辰昕秘書長は記者会見で、「新型コロナウイルスの予防・抑制措置は、緩めることも過度に行うことも、いずれも避けなければならない」として、的を絞った対策の重要性を強調した。
(河野円洋)
(中国)
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