デリー準州などが新型コロナ対策の活動制限措置を相次ぎ発表
(インド)
ニューデリー発
2022年01月14日
インドのデリー準州政府は1月11日、新型コロナウイルス感染の再拡大を受け、金融機関など一部分野を除く全ての民間企業に対して、オフィスの一時閉鎖を命じる指令を発出した。各企業には従業員の在宅勤務を推進するよう求めたほか、飲食店に対しては店内飲食を禁じ、持ち帰りもしくは宅配のみを認めるとした。
デリー準州政府は12月28日にも夜間(午後10時から翌日午前5時まで)の外出禁止や映画館、ジムなど各種施設の一時閉鎖を、1月4日には週末(金曜日午後10時から翌週月曜日午前5時まで)の外出禁止を相次ぎ発表するなど、短期間で活動規制を強化している。ただし、州内外の移動や物流は特別な許可を取ることなく従来どおり認めるほか、外出禁止時間帯でも医療従事者やエッセンシャルワーカーに関しては外出禁止の対象外だ。
インド全体の新型コロナウイルス感染者数は9日以降、1日当たり15万人を超える水準で推移している。うちデリー準州は2万人前後を占めており、検査実施に占める陽性率は25%前後と、全国平均の10%前後に比べて高い。他方、州内の新型コロナウイルス指定病院の病床利用率は15%程度にとどまっている。州政府は住民に落ち着いて感染対策を講じるよう呼び掛けており、目立った混乱は現時点で報じられていない。
また、デリー準州に隣接し、都市グルグラムを中心に多くの日系企業が集積するハリヤナ州でも、12月24日以降、各種活動制限措置が出ている。1月1日付と10日付の指令では、夜間(午後11時から翌日午前5時まで)の外出禁止や映画館、ジムなどの各種施設の一時閉鎖を定めた。他方、民間企業のオフィス勤務や飲食店の店内飲食は定員の50%を上限に認めている。1月1日以降、州内の公共施設など(注)は2回の新型コロナワクチン接種を完了していることが入場要件となった。在インド日本大使館による同州への確認によると、日本で発行されたワクチン接種証明書も有効と見なされる。
(注)バスや鉄道施設、政府機関事務所のほか、レストラン、ホテル、ショッピングモール、ガソリンスタンド、銀行など。
(広木拓)
(インド)
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