主要都市・県の2022年の最低賃金が出そろう

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年12月09日

インドネシアの主要都市・県の2022年の最低賃金(UMK、県・市別最低賃金)が11月末に発表された。

現地報道などから主要都市・地域の状況を取りまとめた結果、2022年の最低賃金が最も高い地域は西ジャワ州ブカシ市で、月額481万6,921ルピア(約3万7,572円、1ルピア=約0.0078円)となる。(添付資料表参照)。2021年の最低賃金が最も高かったのは西ジャワ州カラワン県だったが(2020年12月10日記事参照)、ブカシ市が逆転した。両県には多くの日系企業が集積しており、国内最高水準の最低賃金額が大きな経営課題となっている。最も安いのはジョグジャカルタ市の215万3,970ルピアだが、上昇率は4.08%で最も高い。ボゴール市も3.85%と上昇率が高い。

2020年に制定された雇用創出法2020年11号(雇用創出オムニバス法)により、これまで県・市の業種ごとの最低賃金を定めていた「産業別最低賃金」(UMSK)は撤廃されている(2020年12月10日記事参照)。従って、各企業はUMKの金額と上昇率を1つの指標として、個別に2022年の賃金確定に向けた労使交渉に当たっていくことになる。

一方、前年までと比較して州別最低賃金(UMP)とUMKの上昇率が低く抑えられたことに労働組合が反発し、2022年のUMPやUMKを取り下げるよう各地の首長に対し要求する抗議活動が拡大している(「コンタン」紙12月7日)。抗議を行っている労働組合などは、ジャカルタ特別州では10%、中部ジャワや東ジャワでは15%の賃金上昇を要求し、12月上旬にかけて大統領宮殿前で大規模な抗議活動が行われるとの報道もある(同紙12月7日)。今後の労使交渉にも影響を与える可能性があり、注意が必要だ。

(尾崎航)

(インドネシア)

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