米労働省、従業員100人以上の民間企業にワクチン接種義務化、2022年1月までに要対応
(米国)
ニューヨーク発
2021年11月05日
米国労働省労働安全衛生局(OSHA)は11月5日、従業員100人以上の企業で新型コロナウイルスのワクチン未接種の従業員を感染リスクから守るため、接種を促す緊急臨時基準を官報で公示した。これは、ジョー・バイデン大統領が9月9日に発表した感染防止追加計画(2021年9月13日記事参照)の一環。
該当企業は30日以内にワクチン接種方針を策定して実施しなければならないが、未接種の従業員に対する最低週1度の感染検査に関しては、60日間(2022年1月4日まで)の猶予が設けられている。ホワイトハウスの記者会見によると、違反の度合いによっては罰金を科すとしており、違反1件に約1万4,000ドルになり得るとしている。また、緊急臨時基準では、企業は従業員に対して接種のための時間と副反応からの回復に必要な時間に、有給休暇を設けることも義務付けている。
OSHAは、今回の基準を従業員100人以上の企業に集中して設定したのは、それらの企業には規則に速やかに順守する管理能力が整っていると確信しているからだとした。これから対象企業の幅を広げるかは、従業員100人未満の企業がワクチン接種または感染検査義務を実行する能力があるかなどの情報を集めた上で判断するとした。
労働省はプレスリリースで今回の措置導入に関して、2020年以降、新型コロナウイルスによる米国内の死亡者はおよそ75万人に達するが、その多くは職場で感染したとし、ワクチン未接種の労働者を守るために緊急措置が必要と判断した結果だとした。基準順守のために、ウェビナー、よくある質問集も公開している。それらを含む関連情報をまとめたポータルサイトも参照のこと。
OSHAは緊急臨時基準について、最終規則にすべきかを含むあらゆるコメントを30日間募集するとしている。連邦ポータルサイトでドケット番号OSHA-2021-0007からオンラインで提出が可能。
(吉田奈津絵)
(米国)
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