混雑続くロングビーチ港、ジェトロが米国物流セミナー開催
(米国)
ロサンゼルス発
2021年07月28日
ジェトロは7月22日、第2回米国の最新物流事情セミナー「ロングビーチ港アップデート」と題したオンラインセミナーを開催した。ロングビーチ港の最新状況について、同港でアシスタントディレクターを務めるサマンサ・ガルティン氏が解説した。新型コロナウイルス感染拡大による世界的な電子商取引(EC)の利用拡大を背景として、米国の港湾に記録的な数のコンテナ貨物が押し寄せ、米国内の物流事情に関心が高まる中、360人を超える日本企業関係者が視聴した。
ガルティン氏は、新型コロナウイルスの影響が続く中でも円滑に港湾運営を継続するための措置を講じていると説明した。具体的には、港湾の安全対策を担当する部署を設置したことや、出入港の船舶や貨物取り扱いデータなどの具体的な情報をホームページで公表していること、コンテナを円滑に搬出するため港湾内に貨物の一時的な詰め替えを行うトランスヤードを設置していることを紹介した。
セミナーでは、港湾混雑の見通しについて多くの質問が寄せられた。ガルティン氏は、混雑は一時期に比べて解消しつつあるものの、ロサンゼルスからシカゴに向かう鉄道貨物輸送の遅延が深刻になっている点や、学校の新学期やホリデーシーズンに向けて消費需要の継続が見込まれる点を指摘した上で、港湾混雑は2022年中に解消することは難しく、2023年初めまで続くとの見通しを示した。
ロングビーチ港では、2020年の年間コンテナ取扱量が811万3,315TEU(20フィートコンテナ換算)と過去最大を記録し、2021年上半期の取扱量は475万3,829TEUと前年同期比で38.5%増加している。直近1年(2020年7月~2021年6月)の月平均取扱量では、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(約64万TEU)を大幅に上回る約79万TEUとなっている。
今回のセミナーはこちらのページでオンデマンド配信中。説明資料もダウンロード可能。米国の最新物流事情セミナーはシリーズ開催を予定しており、引き続き米国物流の現状を解説するセミナーを実施予定。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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