米石油ガス開発のタロス・エナジー、英ストレッガとCCSベンチャー設立発表
(米国)
ヒューストン発
2021年06月10日
米国石油ガス開発会社タロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン、以下、タロス)は6月8日、テキサスとルイジアナ、ミシシッピー、アラバマ各州からなるメキシコ湾沿岸域と同湾を対象に二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクトを実施するため、英国のカーボンマネジメント会社ストレッガ・ジオテクノロジーズ(本社:ロンドン、以下、ストレッガ)と連携し、ジョイントベンチャーを設立すると発表した。
両社は、タロスが有する海洋石油ガス開発の専門性と、ストレッガが有するCCSプロジェクトの経験を組み合わせることにより、排ガス排出企業や、CCSプロジェクトに関する施設提供企業、サービス企業、出資企業などと連携し、CCSベンチャーを開始して成長させていく考えだ。
メキシコ湾岸地域は、海洋でのCO2回収プロジェクトの主要地となっており、100以上の発電、産業および石油化学施設が集中し、年間100万トン以上のCO2を排出している。また、メキシコ湾の海底では、30ギガトン以上のCO2を貯蔵できる潜在性がある。両社は、世界最大の産業地域の1つであるこの地域で大規模なCCSに対応できるとしている。
テキサス州でのCCSに関する類似の事例として、米国の液化天然ガス(LNG)開発会社ネクストディケード(本社:テキサス州ヒューストン)と米国大手石油開発会社オキシデンタルの子会社オキシー・ローカーボン・ベンチャーズ(本社:テキサス州ヒューストン)が3月25日に、テキサス州ブラウンズビル港で計画されているリオグランデLNGでのCCSプロジェクトで連携した事例(2021年4月5日記事参照)や、米国石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)が4月19日にヒューストン地域の石油化学工場から排出されるCO2を回収し、メキシコ湾の海底に貯蔵する官民共同事業構想を提案した事例(2021年4月21日記事参照)がある。
(沖本憲司)
(米国)
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