政府が競争力強化へ「K-半導体戦略」発表
(韓国)
ソウル発
2021年05月19日
韓国産業通商資源部は5月13日、半導体産業の競争力強化のための「K-半導体戦略」を発表した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も発表に出席し、「メモリー半導体世界1位の地位を強固なものとし、システム半導体も世界最高とし、『2030年総合半導体強国』という目標を必ず達成する」と強調した。
K-半導体戦略は、2030年に世界最高の半導体サプライチェーンの構築を目的として、4つの推進戦略から構成している。推進戦略と主な施策内容は以下のとおり。
1.半導体サプライチェーン安定化のための「K-半導体ベルト」構築
(1)板橋から平澤、天安、温陽までの地域、龍仁から利川までの地域、龍仁から清州までの地域の3地域を半導体産業が集積する「K-半導体ベルト」とし、安定的な半導体サプライチェーンを構築する。
(2)国内では短期的に技術の確立が難しいEUV(極端紫外線)露光と、先端エッチング、素材分野は対内直接投資の誘致を拡大する。
2.半導体製造中心地への飛躍のためのインフラ支援拡大
(1)2030年までの半導体業界の累積投資額を約510兆ウォン(約51兆円、1ウォン=約0.1円)以上と想定し、政府は半導体関連のR&D(研究開発)と施設整備に対し税制支援を行う(注1)。
(2)8インチウエハーラインのファウンドリ増設、素材・部材・設備および先端パッケージング施設への投資を支援するために、1兆ウォン以上の「半導体等設備投資特別資金」を新設する(注2)。
(3)10年分の半導体用純水のための水資源確保や電力インフラ構築時の最大50%までの分担支援などを通じたインフラ支援を行う。
3.人材・市場・技術確保などの半導体の成長基盤の強化
(1)大学定員の拡大、学士・修士・博士・実務教育など全課程の支援を通じ、2022年~2031年の10年間に半導体産業人材3万6,000人を育成する。
4.半導体産業の危機対応力の強化
(1)半導体関連産業支援のための「半導体特別法」立法化に向けた協議を開始する(注3)。
(2)技術保護のため、M&A審査制度や国家核心技術のセキュリティー管理を強化する。
(注1)R&Dは企業規模や技術内容により2%~50%の税額を控除し、設備投資は企業規模や設備技術により1%~20%の税額を控除する。
(注2)貸出金利は1%分を減免、返済期間は5年間据え置き、15年間分割償還。
(注3)規制の特例、人材育成、基盤施設支援、投資支援、R&D加速化などが含まれる。
(当間正明)
(韓国)
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