米CDC、新型コロナワクチン接種完了者のマスク着用義務を原則解除
(米国)
ニューヨーク発
2021年05月18日
米国疾病予防管理センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は5月13日、ホワイトハウスで行われた新型コロナウイルス対策チームや公衆衛生当局による記者会見で、ワクチン接種完了者(注)は今後、屋内外や人数の規模にかかわらず、マスクを着用しなくてよいと発表した。ただし、バスや電車といった公共交通機関や、空港や駅などの旅客施設では引き続き、ワクチン接種完了者もマスクの着用が義務付けられる。今回の発表に伴い、CDCはワクチン接種完了者に対するガイダンスを更新した。
また、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、ワクチン接種を完了していれば、屋内外にかかわらず感染リスクは極めて低いと述べた。その上で「その小さなリスクを避けるためにマスクを着用し続けるワクチン接種完了者もいるが、(着用しても)何も問題はなく、そうした人々は批判されるべきではない」と指摘した。ワレンスキーCDC所長もこれに同意し、マスク着用を続けるかはそれぞれの快適さに基づいて判断すべきとした。
新型コロナウイルス対策チーム上級顧問のアンドリュー・スラビット氏は「全国2万店舗以上の地元の薬局で予約なしでのワクチン接種を提供している。携帯電話のテキストメッセージで「438829」番宛てに居住地の郵便番号(Zip code)を送れば、ワクチンの在庫がある最寄りの施設3カ所の情報が得られる」と述べた。
CDCによる上記発表を受けて、ジョー・バイデン大統領は13日にホワイトハウスで演説を行い、「ワクチン接種を受けるか、接種を受けるまでマスクを着用し続けるかだ」と発言した。
バイデン大統領はまた、ワクチン接種を終えていない者に対してどのようにマスク着用を強制するのかという質問に、「マスク着用の強制はしない。ワクチン接種を終えていない者は、自身と周りのワクチン未接種者の安全のためにマスクをせよ」と答え、「これは強制すべきものではなく、(着用しない者を)逮捕するつもりはない。米国人のほとんどは、近所の人々や家族の安全を考えるとまだ信じているからだ」と述べた。
(注)各種決められた回数のワクチン接種完了後2週間を経た者が対象で、ファイザー製とモデルナ製は2回の接種、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1回の接種でワクチン接種完了とされている。
(吉田奈津絵)
(米国)
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