米リフト、自動運転部門を5億5,000万ドルでトヨタ子会社へ売却
(米国、日本)
サンフランシスコ発
2021年05月07日
米国のモビリティ企業リフト(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ市)は4月26日、同社の自動運転部門「レベル5」をトヨタ自動車の子会社ウーブン・プラネット・ホールディングス(本社:東京都)(注)に売却すると発表した。買収金額は約5億5,000万ドル。そのうち、まず2億ドルが支払われ、残りの3億5,000万ドルは5年かけて支払われる。リフトは今回のレベル5の売却により、Non-GAAP(米国会計基準に準拠しない)ベースで年1億ドルの営業費用の節減を見込む。
リフトの自動運転部門であるレベル5は、ウーブン・プラネット下に入り、自動運転などの技術開発を行う。今回の取引で両社は、自動運転技術の開発や安全性向上を目的とした複数年の非独占商業契約も締結した。ウーブン・プラネットは、リフトのシステムや車両データを利用できる。リフトは、商業契約に伴う収入を見込む。
今回の合意に関して、リフトのローガン・グリーン共同創設者兼最高経営責任者(CEO)は「リフトは自動運転車(の利用)を拡大できる輸送ネットワークの構築に9年間を費やしてきた。ウーブン・プラネットとリフトの今回の提携は、自動運転技術にとって大きな前進だ」と述べた。また、同社のジョン・ジマー共同創設者兼社長は「この取引は、当社の収益性改善の時期を早めるのに寄与する」とその財務効果にも期待を示した。他方、ウーブン・プラネットのジェームス・カフナーCEOは「レベル5の世界クラスのエンジニアや専門家を仲間に迎えることに非常に興奮にしている。われわれの技術開発の努力が大きく強化されるだろう」と述べた。
米国のモビリティ企業では、ウーバー・テクノロジーズ(本社:サンフランシスコ市)も2020年12月、自動運転部門(アドバンスド・テクノロジー・グループ)を、自動運転開発スタートアップのオーロラへ売却すると発表している。同発表によると、両者は戦略提携を結び、ウーバーがオーロラに4億ドルを投資するほか、ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOがオーロラの役員会に参画する。
(注)ソフトウエアを中心にさまざまなモビリティ開発を担うトヨタ自動車の子会社。トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメントを前身とし、2021年1月から事業を開始している。
(石橋裕貴)
(米国、日本)
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