2020年の世界の再生可能エネルギー新規導入量は前年比45%増、米中が牽引
(中国、米国)
中国北アジア課
2021年04月14日
国際再生可能エネルギー機関(IRENA、注)は4月5日、2020年の世界の再生可能エネルギーの新規導入量が261ギガワット(GW)と260GWを超え、2019年の180GWから45.1%増えて過去最大となったと発表した。伸びを牽引したのは中国および米国で、中国の新規導入量は前年比2.1倍の136GW、米国は79.3%増の29GWとなった。中国は世界の新規導入量の52%を占めシェア1位、米国は11%で2位となり、米中2カ国で世界の新規導入量の約6割を占めた(添付資料図1参照)。
国別の再生可能エネルギーの発電設備容量においても、中国が世界1位、米国が2位の規模で、過去10年間の推移をみると、米中間の差が拡大している。2011年の中国の再生可能エネルギーの発電設備容量は268GW、発電設備容量全体に占める再生可能エネルギーのシェア(以下、再エネシェア)は25.2%で、2020年にはそれぞれ895GW、40.6%に増加した。米国も、2011年の再生可能エネルギーの発電設備容量147GW、再エネシェア13.9%から、2020年にそれぞれ292GW、25.4%へと増加した(添付資料図2参照)。中国の増加ペースが米国を大きく上回ったため、中国の再生可能エネルギーの発電設備容量は、2011年に米国の1.8倍の規模から2020年には3倍に拡大した。再エネシェアも、2011年に中国と米国の差が約11ポイントだったのが、2020年には約15ポイントに拡大している。
中国では、習近平国家主席が打ち出した2060年までのカーボンニュートラル実現のため、風力と太陽光の発電設備容量を、2020年の5億3,000万キロワット(kW)から2030年までに12億kW以上に引き上げる野心的な数値目標を打ち出している(2021年4月7日記事参照)。中国の再生可能エネルギー導入は今後10年でさらに加速することが確実で、今後もこの分野での米中の差が広がるとみられる。
(注)再生可能エネルギーの世界的な普及促進を行う国際機関。国際協力の主要なプラットフォーム、研究拠点で、政策、技術、リソースなどに関する情報の収集、発信を行う。2021年3月末時点の加盟数は163(162カ国とEU)。
(江田真由美)
(中国、米国)
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