イングランドで企業幹部入国後の自主隔離を部分免除
(英国)
ロンドン発
2020年12月08日
新型コロナウイルス感染症をめぐり、英国政府は12月4日、イングランド入国後の14日間の自主隔離義務を、業務に従事する時間に限り免除する職種・業務を拡大すると発表。テレビ制作関係者、公式ジャーナリスト、パフォーミングアート専門家などとともに、経済的利益に寄与すると考えられる内外企業の幹部を追加した。ガイダンスも公表し、翌5日から施行。日本など自主隔離免除国(Travel Corridors)からの渡英に加え、免除されていない国からの商用目的での渡英も容易になった。
対象となるのは、以下に該当する企業の取締役・執行役員など。
- 50人以上を雇用する英国企業
- 英国に50人以上を雇用する子会社または支店を持つ多国籍企業
- 英国に拠点を持たず事業・投資目的で幹部が訪英する在外企業
訪英して業務に従事することによって、以下のいずれかが実現される可能性が、従事しなかった場合の可能性よりも高い場合、自主隔離免除の対象となる。
- 英国企業からの1億ポンド(約139億円、1ポンド=約139円)以上の財またサービスの購入、または該当英国企業において50人以上の雇用が創出または維持される可能性が高い財またサービスの購入の契約締結。
- 該当英国企業において50人以上の雇用が創出または維持される可能性が高い投資の実行。
- 在外企業幹部訪英から1年以内に50人以上の雇用が創出される可能性が高い新規企業設立。
免除対象となる活動は、投資・契約などの意思決定に関わる重要な会議や現地視察などで、定期的な取締役会や視察、出資可能性のある投資家との事業構想協議などの用務は対象外。また、免除対象となる活動を行っている時と、そのために移動する時を除き、自主隔離は免除されない。渡航前に所定のオンラインフォームに必要事項を入力するほか、該当英国企業(新規拠点設立の場合は、当該拠点設立企業)のレターヘッド付きの書面に詳細情報を記したレターを用意し、携行する必要がある。
イングランド入国後の自主隔離をめぐっては、12月15日以降、5日間の自主隔離後の検査で陰性だった場合、隔離を終了できるようになる(2020年12月1日記事参照)。いずれも政府が10月7日に設置した作業部会「トラベル・タスクフォース」が11月24日に提出した答申に基づくものだ。答申では、出国前検査による2国間での隔離免除などを進めることも提案されている。
(宮崎拓)
(英国)
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