スイス各州で衛生措置を強化

スイス全土での急激な新型コロナウイルス感染者数の増加を踏まえ、スイス各州でさらなる衛生措置の強化が発表された。

ジュネーブ州政府が10月23日に発表した主な内容は以下のとおり（適用期間は10月26日～11月30日）。

• 公共の場所での5人を超える計画的でない集会の禁止。集会の際は常に1.5メートルの社会的距離を確保すること（同居者は除く）。
• 5人を超える私的なイベントの開催禁止。12歳未満の子供は人数に数えないが、子供の人数の方が他の参加者の人数を上回らないこと。
• スポーツ観戦など1,000人を超える公的なイベントの禁止。100人超1,000人以下のイベントの開催については、これまでの連邦基準に従い参加者を100人ごとに区分することが必要。
• レストランやバーの営業は夜の午後11時まで。レストランなどにおけるテーブルごとの着席人数を5人以下とする（12歳未満の子供は人数に数えないが、子供の人数の方が他の参加者の人数を上回らないこと）。
• 身体的接触を伴うスポーツ競技やコーラスの禁止。フィットネスや水泳プールは、感染防止対策が順守されている場合において営業が可能だが、ロッカールームは閉鎖すること。
• 屋外市場でのマスク着用を義務付け。また、同居人以外が2人以上同乗する自動車内でのマスク着用を義務付け。

フリブール州が10月23日に発表した主な内容は以下のとおり（適用期間は10月23日～11月30日）。

• 公共の場所での10人を超える計画的でない集会、10人を超える私的なイベントの開催の禁止（政治、公的イベントを除く）。集会やイベントでのマスク着用を義務付け。
• 高齢者向け施設や病院への訪問を制限する
• カジノ、ビリヤード、ボーリングなどの娯楽施設、ナイトクラブ、ディスコなどの閉鎖。そのほか、一般が利用する店舗の営業は夜の午後11時までとする。
• レストランなどにおけるテーブルごとの着席人数を4人以下とする（同居者は除く）。利用者の連絡先情報収集を義務付け。
• 身体的接触を伴うスポーツは禁止する（個人での練習は除く）、コーラスはマスクを常時着用する場合のみ可能。
• スポーツ観戦など1,000人を超えるイベントの禁止。
• 屋内・屋外市場でのマスク着用を義務付け、飲食は禁止とする。
• 大学や高等教育課程の教育機関は原則リモートでのオンライン授業とする。

バレー州では現在、スイスにおいて新規感染者発生率が最も高く、同州政府は10月21日に衛星措置の強化を発表した（適用期間は10月22日～11月30日）。主な内容は以下のとおり。

• 公共施設及び私企業の屋内において常時マスク着用を義務付け。
• 公共の場所での10人を超える計画的でない集会の禁止。また、10人を超える私的なイベントの開催禁止。
• 高齢者施設や病院への訪問を原則禁止。
• 映画館、劇場、スポーツジム、水泳プールなどの娯楽施設とナイトクラブ、ディスコなどの閉鎖。
• レストランなどの店舗・施設の営業は夜の午後10時までとし、テーブルごとの着席人数を4人以下とする（同居者は除く）。各施設におけるコロナ追跡アプリの導入を義務付け。
• 身体的接触を伴うスポーツの禁止（個人での練習は除く）。

なお、チューリッヒ州でも感染者数は増加傾向にあるものの、同州政府が10月23日に発表した独自の強化策は、同州政府保健局の感染者接触追跡チームの増員・強化にとどまっている。

（和田恭、マリオ・マルケジニ）