労働省、2021年の州別最低賃金を引き上げないよう要請
(インドネシア)
ジャカルタ発
2020年10月28日
インドネシアのイダ・ファウジヤ労働相は10月26日、2021年の最低賃金決定にかかる回状(添付資料参照)を公布し、各知事に対し、2021年の最低賃金を2020年の最低賃金と同一にするよう調整を求めた。
回状によると、各知事は、国内の経済状況と経済回復の必要性を考慮し、以下3点の実行が求められる。
- 2021年の最低賃金が2020年の最低賃金と同一になるよう調整を行うこと
- 2021年以降の最低賃金は、法規制の規定に従って決定する
- 2020年10月31日に2021年の州の最低賃金を決定して発表すること
2021年の最低賃金をめぐっては、政府・使用者側と労働者側で意見の相違が続いていた。インドネシア労働組合総連合(KSPI)が8%の最低賃金引き上げを求める一方で、政府、労働者、使用者の3者からなる賃金委員会は、最低賃金の引き上げが企業の事業運営に与える影響への懸念から、2020年と同水準とすることを提案していた(detik.com 10月18日、10月21日)。
回状では、労働者に対する保護と労働継続性を提供すると同時に、雇用者・企業の事業継続性を維持するために、新型コロナウイルス禍における最低賃金の決定を調整する必要があると、その背景を説明している。
(尾崎航)
(インドネシア)
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