臨港新エリア、ICなどの領域で1,000億元規模の産業クラスターを目指す

(中国)

上海発

2020年09月01日

上海市政府は8月20日、「臨港新エリアの建設を加速させる行動方案(2020~2022年)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、方案)を発表した。方案では、2019年に設立された中国(上海)自由貿易試験区の臨港新エリアに、集積回路(IC)、スマート自動車、ハイエンド装備、生物医薬などの領域で1,000億元レベル(約1兆5,000億円、1元=約15円)の産業クラスターを育成する目標を掲げた。

8月21日に開催された臨港新エリアの設立1周年を記念したIC関連のフォーラムで、上海市臨港新エリア管理委員会の呉暁華副主任は「2025年までに、臨港新エリアにICの産業革新基地をつくり、ICの産業規模1,000億元を目指し、2030年にはハイレベルな産業エコシステムを構築する」と述べた(「界面新聞」8月21日)。

2020年に入り、臨港新エリアで既に30余りのICプロジェクト契約が締結され、総投資額は1,000億元に上る。臨港新エリアではチップ設計、特殊プロセス製造、第3世代半導体、パッケージングとテスト、機器、材料をカバーするIC産業チェーンのエコシステムが出来上がっている。

集積回路産業は国家戦略として、各種支援が受けられる

国務院は、8月4日に「新しい時期における集積回路産業とソフトウエア産業の高品質の発展を促進するための若干の政策」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、政策)を発表し、税金、投融資、研究開発、輸出入、人材育成、知的財産、市場応用、国際協力の8つの方面からIC産業を支援するとした。政策ではICメーカーだけでなく、IC設計、パッケージング、テスティングなどを行う企業に対しても所得税の減免措置を講じており、上海市臨港新エリアで構築されるIC産業のクラスターの育成を後押しするものともいえる。

(呉秀媛)

(中国)

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