検査・分析機器見本市「analytica 2020」、来訪型やめ完全オンラインで開催へ
(ドイツ)
ミュンヘン発
2020年09月16日
ドイツのメッセ・ミュンヘンは9月2日、10月19~23日にミュンヘンで開催予定の国際ラボテクノロジー・分析技術・バイオテクノロジー専門見本市「analytica 2020」について、来訪型ではなくオンラインのみで開催することを発表した。同見本市はもともと2020年4月の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響を受けて、10月に延期していた。
メッセ・ミュンヘンによると、7月の時点では来訪型での開催を支持する声が多かったものの、企業による自主的な出張の自粛、ドイツ政府による欧州域外からの入国制限に加え、8月に入り、欧州域内でもフランス、ベルギー、スペインの一部(スペインは9月2日に全土に拡大)などをリスク地域として指定、入国に際して、検疫義務を課したことで、欧州の出展者から出展が難しい旨の連絡が相次いだという。一方で、国内出展者からも訪問者の減少を危惧する声が寄せられたため、主催者はオンラインのみでの開催を決断したという。
「analytica」は、1968年からミュンヘンで隔年開催されている伝統的な見本市だ。ドイツ見本市産業連盟(AUMA)によると、前回2018年の出展者は1,175社で、うち海外からは50.6%を占める(594社)。中国(116社)、米国(82社)、英国(63社)、スイス(49社)、フランス(36社)、イタリア(36社)などからの出展者が多い。日本からの出展は18社だが、メッセ・ミュンヘンによると、現地法人・代理店出展を含めると40社以上に上る。
オンライン見本市は「Analytica virtual」と名付けられ、10月19~23日に開催される。出展者はオンライン上で新製品などを展示、訪問者は製品のプレゼンテーション聴講や、製品パンフレットのダウンロードができるほか、チャット機能で直接、出展者とコンタクトできる。加えて、セミナーや専門講演などもオンライン上で行われる。
AUMAによると、2020年にドイツ国内で予定されていた368の見本市のうち、61%が中止か延期を決定、39%が既に開催されたか、今後の開催を予定しているという(2020年8月31日時点)。9月前半には、デュッセルドルフで新型コロナウイルス感染拡大後の初の完全来訪型見本市が開催された(2020年9月9日記事参照)。一方、「analytica」のように、開催方法の変更を余儀なくされる見本市もあり、出展者・訪問者は引き続き、展示会ごとの開催状況を注視していく必要がある。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ)
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