5月の米小売売上高、前月比17.7%増、過去最大の増加幅を記録
(米国)
ニューヨーク発
2020年06月22日
米国商務省の速報(6月16日付)によると、5月の小売売上高(季節調整値)は前月比17.7%増の4,855億ドルと、1月(0.8%増)以来4カ月ぶりに増加に転じ、統計開始(1992年)以来最大となる増加幅を記録した(別添資料表参照)。なお、4月の売上高は16.4%減(速報値)から14.7%減に修正された(2020年5月21日記事参照)。
全米小売業協会(NRF)チーフエコノミストのジャック・クラインヘンズ氏は「経済は5月に動き出し、小売業やその他のビジネスが再開するとともに、景気刺激策の現金給付や補足的な失業手当(拡充)が2カ月間の都市封鎖による繰越需要に後押しされて個人消費を刺激した」と述べた。一方で、「(前月から)個人消費は大幅に改善したが、1年前と比べるとはるかに低水準であり、完全な回復までは長い道のりだ」と述べた(NRFプレスリリース6月16日)。
自動車・同部品、フードサービス、無店舗小売りなどが押し上げ要因に
業種別にみると、自動車・同部品が前月比44.1%増の986億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、フードサービスが29.1%増の386億ドル、無店舗小売りが9.0%増の864億ドルとなった。売り上げが減少した業種はなく、13業種の全てが増加した。
民間調査会社コンファレンスボードが5月26日に発表した5月の消費者信頼感指数は86.6と、4月(85.7)より0.9ポイント上昇した。内訳をみると、現況指数は71.1(4月:73.0)と1.9ポイント減少した。一方で、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は96.9(4月:94.3)と2.6ポイント上昇した。
コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターのリン・フランコ氏は期待指数について、「経済の段階的な再開が消費者マインドの改善につながることで、短期的な見通しは緩やかに改善したが、(回復の勢いは弱く)消費者は依然として自らの家計面の見通しに不安を感じている」と指摘した。また「信頼感指数の減少は今のところ止まったようにみえるが、回復への道のりは一様でなく、潜在的な(感染拡大)第2波(の可能性)もあることから、不透明感への懸念が消費者につきまとうだろう」と指摘した。
(樫葉さくら)
(米国)
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