緩和開始に伴い水際対策を強化、入国者に自主隔離要求
(スペイン)
マドリード発
2020年05月13日
スペインでは5月15日午前0時より、新型コロナウイルス対策として国外からの入国者全員に、到着翌日から14日間の自主隔離が義務付けられる。12日付で官報に掲載された保健省令では、隔離期間中は、生活必需品や医薬品の購入や通院、その他やむを得ない理由を除き、自宅や宿泊施設からの外出の制限を規定(越境通勤者や物流従事者などは適用除外)。また、外出の際はマスク着用が義務付けられる。
同措置は、「警戒事態」の期間が終了するまで継続される。
入国後の自主隔離は、これまで国外からの帰還者やイタリアから再入国する在留外国人を対象とした例外的適用にとどまっていたが、5月4日からのロックダウン緩和開始(2020年5月1日記事参照)に伴い、輸入感染を防ぐべく、対象をすべての国からの入国者に拡大する。
また、これまでは日本人を含む非EU/非シェンゲン市民の不要不急の渡航禁止、およびフランスとポルトガルとの陸路国境検問の再開にとどまっていた封鎖措置をシェンゲン全域に拡大。5月15~23日24時まで、シェンゲン加盟国からの空路・海路アクセスを禁止し、スペイン人や在留外国人、越境通勤者などを除き、特別な理由のない入国はできなくなる。今後、「警戒事態」(5月24日0時まで)がさらに延長されれば、同措置も継続される可能性がある。
緩和ムードとは程遠い
地域別の活動制限計画が5月4日より開始されたが、5月11日を目安として予定されていたフェーズ1(初期緩和)入りでは、マドリード県やバルセロナ県、またバレンシア県都市部など、大都市圏の多くで緩和措置導入が見送られた。緩和以前のフェーズ0での足踏みとなり、400平方メートル以下の商業施設の制限付き営業や公共交通機関の本格運行再開には至っていない。政府発表によると、同日に緩和入りできたのは人口の51%で、約半数の国民が依然としてロックダウン下にある。
多くの飲食店や商業施設が依然として休業や営業制限を強いられる中、政府は12日の閣議で、新型コロナウイルスを原因とする不可抗力事由による一時帰休(レイオフ)の適用を6月30日まで延長することを承認した。
(伊藤裕規子)
(スペイン)
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