米CDC、カナダ、メキシコ国境からの外国人の入国制限を延長
(米国、カナダ、メキシコ)
ニューヨーク発
2020年05月21日
米疾病予防管理センター(CDC)のロバート・レッドフィールド長官は5月19日、3月20日に発布された、新型コロナウイルス感染国からカナダ、メキシコを経由して入国する外国人に対する入国規制を5月21日付で延長すると発表した。終了日は未定だが、30日ごとに再考察し、規制が不要になったと判断した際には規制終了を官報で告示するとした。国土安全保障省も同日、カナダとメキシコとの間の不要不急の渡航制限を6月22日まで延長すると発表した。
規制対象は、引き続きカナダまたはメキシコから陸路または海路で米国に入国しようとする外国人となる。規制の理由として、陸路または海路で入国しようとする外国人は有効なビザを持っていない者が多く、入国審査まで何時間も、場合によっては何日も待機室で他人と近距離で待機させられるため、感染拡大防止のためには必要な措置だとしている。
規制対象外となるのは、米国市民、米国永住権保持者、米軍構成員、その関連職員、その者らの配偶者と子供および有効なビザを保有またはビザ免除プログラムで入国手続所へ到着する外国人で入国規制がかけられていない者としている。
カナダ、メキシコとの間の不要不急の渡航制限も延長
チャド・ウルフ国土安全保障長官代行も、4月21日に30日間延長したカナダとメキシコとの間の不要不急の渡航規制(2020年4月22日記事参照)を、両国との合意の下、6月22日まで延長すると発表した。その間、合法な貿易は引き続き影響を受けない。本規制の対象外となるのは必要不可欠な渡航のみで、観光や娯楽目的の渡航は規制の対象とされている。また、本規制は、空路、貨物列車、海路での移動については適用されない。
必要不可欠な渡航(注)の例としては、業務での渡航者(農業従事者など)や公衆衛生の緊急事態に対応するための職務従事者、国境間の合法な貿易関係者、政府関係者や外交官などが挙げられている。ウルフ国土安全保障長官代行は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対抗するため北米が一丸となって取り組んでおり、メキシコとカナダの協力に感謝すると述べている。
(注)必要不可欠な渡航の定義は米国土安全保障省が発表した行政命令文(メキシコとの国境間、カナダとの国境間)の4ページ目を参照。また、在カナダ米国大使館、在メキシコ米国大使館が、本規制に関する要旨と質問集を発表している。
(吉田奈津絵)
(米国、カナダ、メキシコ)
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