湾岸協力会議(GCC)諸国が入国制限を強化
(アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート、バーレーン、カタール、中東)
ドバイ発
2020年03月17日
湾岸協力会議(GCC)加盟国で新型コロナウイルス流行による影響が拡がっている。感染確認者数(3月15日時点)は、カタール(401人)、バーレーン(214人)、クウェート(112人)、アラブ首長国連邦(UAE)(98人)、サウジアラビア(118人)、オマーン(22名)と合計で感染者が870人を超えた。カタールとバーレーンでの感染者数増加もあり、8日時点の229人(2020年3月9日記事参照)からの7日間で合計600人以上の増加が報告され、感染者数は8日時点から約4倍となっている。こうした事態を受け、9日には6カ国すべてで教育機関が臨時閉鎖、商業施設も一部で閉鎖措置が取られるなど、防疫対策が一段と強化されている。サウジアラビアは、域内各国とのフライトを停止したことをはじめとする渡航制限を10日から拡大した。
UAE政府は3月14日、外交旅券を除くすべての入国ビザの発給を17日より停止すると発表。同日よりレバノン、トルコ、シリア、イラクとのフライトを停止する。ドバイの入国審査当局(GDRFA)は日本を含むビザ事前申請免除国に対してはこれまで通り空港到着時に発給される入国ビザで渡航が可能と説明している。アブダビでは14日より、ドバイで15日より、それぞれ映画館・美術館・テーマパークといった主要観光施設が閉鎖となったほか、スパなど接触を要するサービスの事業停止措置も始まっている。
クウェートでは12日、同日から26日までの間、政府機関の公務員は休日となることが発表された。あわせて14日午前0時より、貨物便等を除いたすべてのフライト発着が制限されるほか、国民・居住者に対して不要不急の外出を控えるよう通達が出された。レストランやカフェでの飲食禁止、ショッピングモールと娯楽施設、スポーツクラブ等の閉鎖など厳しい措置が取られることになり、市民生活への制限が強まっている(外務省HP参照)。
感染拡大が懸念されるバーレーンでは10日、感染防止措置の厳格な適用が警告された(外務省HP参照)。12日、ラーシド内務大臣は、新型コロナウイルスの流行を隠蔽し、バーレーン人への感染を拡大させたことを「生物学的攻撃」としてイランへの批判をツイッター投稿した。経済的な関係の深い隣国サウジアラビアとの往来については、フライト停止に先立って、両国を結ぶキング・ファハド・コーズウェイ橋での往来が7日より閉鎖となっている。
オマーンではGCC諸国の国民を除き、すべての外国人の入国を17日から禁止すると発表した(外務省HP参照)。公立庭園や公園も閉鎖され、金曜礼拝を含むすべての社会的集まりが禁止される。
カタールは、カタール国民以外のカタール入国を18日から2週間禁止すると発表した。同国では11日に一挙に238人の感染が確認された。政府は、既に確認された感染者の接触者や関係者への迅速かつ積極的な検査措置を行った結果であるとし、確認されたケースはいずれも無症状であるとしている。映画館などの商業施設の封鎖が13日より始まったほか、居住者に対して人混みと集会をさけるように勧告が出されている(外務省HP参照)。
(田辺直紀)
(アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート、バーレーン、カタール、中東)
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