欧州議会・専門委員会、英国との離脱協定案承認を勧告
(EU、英国)
ブリュッセル発
2020年01月24日
欧州議会の憲法問題委員会(AFCO)(注)は1月23日、英国の秩序あるEU離脱(ブレグジット)を実現するための離脱協定案を承認するよう欧州議会(本会議)に勧告した。AFCOは英国議会が同日、離脱協定案を承認(2020年1月24日記事参照)、エリザベス女王が裁可した結果を踏まえて、この勧告を賛成23、反対3(棄権なし)で可決。欧州議会(本会議)での採決は1月29日に行われる見通し。
EU側もブレグジットに向けた手続き完了の見通し
欧州議会のブレグジット問題対策グループの座長を務めてきたギー・フェルホフスタット議員(ベルギー選出)は同日、「欧州議会で、英国の議員たちの知見、行動力、そして、ウィットが聞けなくなると寂しくなる」とツイッターに投稿。同時に、「われわれの門戸はいつでも英国に開かれている」と将来的な英国のEU再加盟への期待とも取れるコメントも添えた。
なお、欧州議会の発表によれば、英国のEU離脱は中央ヨーロッパ時間(CET)の2月1日午前0時(英国時間1月31日午後11時)となる見通しで、この期日に向けて欧州議会として1月29日に離脱協定案の採決(単純多数決方式)を行うとしている。欧州議会の採決を踏まえて、EU理事会も1月30日には、(加盟国の人口に基づいて票数を割り当てる)特定多数決方式による採決を進める見通しだ。これにより、EU側のブレグジットに向けた手続きは完了することになる。
(注)欧州議会において、欧州統合プロセスの機構的側面を俯瞰(ふかん)し、必要に応じて条約改正などを担当する委員会。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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