欧州委、新欧州委員の所掌ポストを公表
(EU)
ブリュッセル発
2019年09月11日
欧州委員会は9月10日、前日に発表した次期欧州委員の候補者リスト(2019年9月10日記事参照)に所掌・担当を盛り込んだ人事案を公表した(表参照)。ウルズラ・フォン・デア・ライエン次期欧州委員長(ドイツ)の下、担当分野に加えてEUの主要課題を兼務する「上級副委員長」3ポストを新たに創設、「環境・気候変動対策」「デジタル化対応」「人のために機能する経済」などに力点を置く方針を打ち出した。
現委員会の主要閣僚を再登用、重要課題の包括的解決を狙う
フォン・デア・ライエン次期欧州委員長は新たな欧州委員会について、「持続可能な政策を打ち出す地政学的委員会(Geopolitical Commission)」と表現、米国との友好関係を構築し、自己主張を続ける中国との関係を再定義する方針を示した。同時に、気候変動対策などにも積極的に取り組み、欧州の価値とグローバルスタンダード形成を重視する欧州らしい政策の在り方も追求する姿勢だ。
なお、EU理事会は同日、前日に欧州委員会が発表した候補者リストを採択しており、欧州議会の採択を経て承認される見通しだ。同議会は専門委員会による公聴会などを開き、次期欧州委員候補者の審査を行う。議会は同日、公聴会を9月中に開始すると発表した。
ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は9月10日、「今後打ち出される具体的な政策の在り方が欧州の将来を決める」として、次期欧州委員会に対する期待感を示した。また、欧州農業組織委員会・欧州農業共同組合委員会(COPA-COGECA)も同日、これまで農業担当だったホーガン委員が通商担当に転任後も、欧州農業の利益を守り続けるだろうと確信していると期待を示した。
(前田篤穂)
(EU)
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