失業率、前月比やや上昇の5.4%、7月としては2005年以降で最低

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月18日

フィリピン統計庁(PSA)は9月5日、7月の失業率が5.4%と、前年同月と同じ値になり、4月の前回調査時の5.1%よりも0.3ポイント上昇したと発表した(表参照)。不完全雇用率は13.9%で、前年同月の17.2%からは3.3ポイント減少、4月の13.5%よりも0.4ポイント上昇した。7月の失業率、不完全雇用率としては、ともに2005年以降で最も低い値となった。

表 地域別失業率と不完全雇用率(2019年7月時点)

7月の失業率を地域別にみると、全国平均を上回る地域が4地域あり、最も失業率が高かった地域は日系の製造業が入居する工業団地が多く立地するカラバルゾン地方で7.2%となった。続いてマニラ首都圏が6.1%、セブ島を含む中部ビサヤ地方が6.0%、西ビサヤ地方が5.9%となり、労働人口や企業数が比較的多いといわれる地域が上位に並んだ。ただし、こうした失業率が高い4地域の不完全雇用率はいずれも全国平均値(13.9%)を下回っており、特にマニラ首都圏については全国で最も低い6.2%を記録した。こうした傾向は、マニラ首都圏を含む当該4地域では被雇用者側の職種や職場の選択肢が多く、就職・転職活動の競争も激しい一方で、給与などの待遇が他地域に比べて良いことに起因するとみられる。

セキュリティ・バンクのロバート・ダン・ロセス・チーフエコノミストは地元メディアに対して、「2017年半ば以降、フィリピンは5.0~5.5%の失業率を維持しており、フィリピン経済が米中貿易摩擦など外的要因に比較的影響を受けにくいことを表している」とコメントした。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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