EU、ブレグジットをめぐるジョンソン英首相の姿勢を牽制
(EU、英国)
ブリュッセル発
2019年08月27日
欧州議会のブレグジット問題対策グループ座長を務めるギー・フェルホフスタット議員(ベルギー選出)は8月26日、英国のボリス・ジョンソン首相が英テレビ番組「ITVニュース」に対し、合意なき離脱(ノー・ディール)となった場合には390億ポンド(約5兆310億円、1ポンド=約129円)の「離婚費用(divorce bill)」をEUに支払う責務はもはやない、とコメントした報道を引用し、「英国が自ら責務を果たさない場合、EUが(EU・英国関係を定める)通商協定の交渉に応じることはない」とツイートした。既に双方で合意している離脱協定案からバックストップ条項を削除することを要請(2019年8月21日記事参照)し、ノー・ディールも辞さない姿勢を示す英国のジョンソン首相に警告を発した。
ノー・ディールに踏み切りかねない英政権に警戒感
また、同議員は、英国がノー・ディールに踏み切った場合、「英国が責務を果たすことがあらゆる協議の最初の条件となる」とも指摘、英国の安易なEU離脱に警鐘を鳴らしている。
このほか、ブレグジットをめぐるジョンソン英首相の姿勢については、欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長が、G7首脳会談の機会を捉え8月25日に行われた同首相との会談に先立つ24日に声明を出し、「(これまで協力関係にあった英国に対して)唯一、協力できないのはノー・ディールだ」「ジョンソン首相が『ミスター・ノー・ディール』として歴史に名を残すことを好まないだろうことを希望する。英国政府が運用可能、かつ現実的な、アイルランドを含めた全EU加盟国が受け入れられるアイデアを提示する用意があるのであれば、われわれは耳を傾けたい」とのオープンな姿勢を示した。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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