EU、英国新政権とのブレグジット協議継続を確認
(EU、英国)
ブリュッセル発
2019年06月24日
欧州理事会(EU首脳会議)のドナルド・トゥスク常任議長は6月21日、ブリュッセルで前日から開催されていたEU首脳会議を終えて、総括声明を発表した。この中で、英国のEU離脱(ブレグジット)問題については、EU27カ国として、英国の次期首相との協議を継続すると確認したことを明らかにした。
離脱協定案協議の可能性は否定
EUとしては、「英国の無秩序な離脱を避け、可能な限り緊密な英国との将来関係の構築を求めている」とし、「英国側の立場に進展があれば、政治宣言案については協議に応ずる」との姿勢を打ち出した。一方、離脱協定案については見直しの可能性を否定。「合意なき離脱(ノー・ディール)」への対策についても情報共有したことを明らかにし、これまでのEUの協議方針(2019年5月27日記事参照)に変わりないことを明言した。
その他の総括として、トゥスク常任議長は中期予算枠組み(MFF)で順調な進捗があった点など、2019年上期(1~6月)のEU議長国を務めたルーマニアの貢献を評価した。次期欧州委員長などEU新体制の首脳人事について、同常任議長は6月19日付でEU各国首脳に送付した欧州理事会の招待状で、「妥結できるものと期待している」としていたが、何ら明確な方針を打ち出すことはできなかった。
EU首脳人事については、6月30日に特別首脳会議を開き、過半数の支持を得る候補者を決定すべく、各国首脳の意見集約に向け再度議論される予定だ。次期欧州委員長は、欧州理事会で決定した候補者について7月15日から18日にかけて開催される欧州議会本会議(第2セッション)で過半数の承認を得て正式に決定することになる。
なお、今回の欧州理事会では、EUの全体的な政策の方向性と優先順位として5年ごとに決定する「新戦略アジェンダ(2019~2024年)」(2019年6月19日記事参照)を6月20日に採択するなどの前進も見られた。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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