建設が進むエジプトの新首都、成長計画の中心に
(エジプト)
中東アフリカ課
2019年05月01日
エジプトのハレド・アバス住宅・公共施設・都市副大臣は4月18日、メディアのインタビューに対し、首都カイロ近郊で建設が進む新首都は同国の成長計画の中心だと述べた。人口増加の対策として、同国は新首都を含む複数の新都市開発を進めている。エジプトは人口増加率が約3%で毎年約300万人が増加し、現在の人口約9,700万人が30~40年後には1億6,000万~1億8,000万人に達する見込みだ。
副大臣によると、新首都は2016年4月から開発が始まり、現在は第1フェーズの50~60%まで建設が進んでいる。今後1年以内に、政府機関が新首都に移転開始できるとしており、完成後の居住者数は約600万人を見込む。新首都は地理的条件に優れており、現在の首都および国家プロジェクトのスエズ運河回廊から、それぞれ約60キロに位置する。
現在のカイロ(965万5,000人)は、多くの人口や車両などが集中し、渋滞や大気汚染などを引き起こしている。都市問題を解決し、増え続ける人口を支える経済成長計画の1つが新首都開発だ。
また、不動産開発会社のニュー・プラン・デベロップメントは、新首都エリアで3件の不動産開発に約80億エジプト・ポンド(約520億円、LE、1LE=約6.5円)を投じることを4月に発表した。
「第11回日本・エジプト経済合同委員会会議および日本・エジプト投資フォーラム」(2019年3月19日記事参照)に日本から訪れたミッションにも3月12日、新首都の建設現場が公開された。オフィスビルやビジネスセンター、住宅などの建設が進んでおり、受注した中国企業の看板も掲げられ工事が行われていた。
新首都近くには大型発電所が新設され、既に営業を開始しているホテル(アルマサ・キャピタル)もあったが、広大なエリアの中で稼働中の施設はまだまばらだ。今後、新首都の建設や政府移転が予定どおりに進むのか、進展具合が注目される。
(小松崎宏之)
(エジプト)
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