2018年度の輸出入は減少、米国の対イラン制裁の影響が顕在化
(イラン)
テヘラン発
2019年05月10日
イラン税関は4月21日、2018年度(イラン暦1397年:2018年3月21日~2019年3月20日)の輸出入統計(通関ベース)を発表した。非石油部門(石油・ガス製品含む)の輸出は前年度比5.7%減の約443億900万ドル、輸入も21.8%減の約426億1,200万ドルで、輸出入ともに減少した。2018年8月に一部で、11月からは本格的に再開された米国による対イラン制裁の影響が出始めたと言える。
品目別にみると、非石油部門の輸出はコンデンセート(ガス田から採取される原油の一種)をはじめとする石油・ガス関連製品が中心だ。伸び率が大きいのは、鉄または非合金鋼の半製品で、前年度比2.8倍となったものの、輸出全体に占める構成比は1.9%でしかない(表1参照)。
輸入では、飼料用トウモロコシが1位だったほか、精米、大豆、大豆油かすなど、農作物や食品関係が上位を占めた。自動車現地生産用の自動車部品〔乗用車(2000cc未満)部品(タイヤを除いた現地調達率20~30%)〕は23.3%減となっており、2018年8月から他分野に先んじて始まった自動車分野の制裁の影響が顕在化した状況だ(表2参照)。
国別輸出をみると、上位3カ国は中国、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)の順となる(表3参照)。UAEは前年度比12.1%減となり前年度2位から順位を1つ落とした。韓国(前年度比41.5%減)やトルコ(40.2%減)は大きくシェアを落としている。
国別輸入の上位3位は、中国、UAE、トルコの順となる(表4参照)。前年度3位の韓国は前年度比44.9%減で7位に後退した。その他の上位国も軒並み減少傾向の中、8位のロシアは84.5%増で、貿易面でもイランとの関係強化がうかがえる。
(中村志信)
(イラン)
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