トランプ大統領、エネルギーインフラ建設承認の迅速化へ2つの大統領令に署名
(米国)
米州課
2019年04月15日
トランプ大統領は4月10日、エネルギーインフラプロジェクトの建設承認を迅速に進めるため、プロジェクトの承認または却下に関わる州の権限を制限する大統領令に署名した。さらに、トランプ大統領は同日、国際パイプラインの建設を承認する権限を国務長官から大統領に移管する大統領令にも署名した。
米国では、国内パイプラインなどエネルギーインフラ事業について、連邦エネルギー規制委員会(FERC)の承認を受ける前に、水質浄化法(Clean Water Act)401条に基づき、州政府による承認を得る必要がある。今回の大統領令は、環境保護庁(EPA)に対し、オバマ政権時代に制定された同法の見直しを指示したもの。
トランプ大統領は、同日にテキサス州ヒューストン近郊の石油施設で大統領令に署名を行った際、「許可を得るまで20年を要するような、とてつもない遅延や拒否は、これにより終わりを告げることになるだろう」と述べた。
この大統領令に対し、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は「連邦政府による行き過ぎた権限行使で、ニューヨーク州の水質と環境を保護する権限を阻害する」と批判している(ロイター4月10日)。
さらに、トランプ大統領は同日、国際パイプラインの建設を承認する権限を国務長官から大統領に移管する大統領令にも署名した。国境をまたぐパイプラインの建設承認については国務長官にその権限があるが、トランプ大統領は、国務省による長い審査プロセスを排除するため、承認権限を大統領に移管する。背景には、カナダとオクラホマ州を結ぶキーストーンXLパイプラインなどのプロジェクトをスピードアップする狙いがある。
(木村誠)
(米国)
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