英国議会の離脱協定案否決を受け、英国の意向を求めるEU

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年01月16日

英国議会が1月15日、EUとの「離脱協定」および「政治宣言」の提案を否決した結果(2019年1月16日記事参照)を受け、予想されていた事態ではあるが、EU首脳からは落胆の声が相次いだ。

欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長はツイッターに「(離脱)協定が不可能で、誰も合意なき離脱を望まないとしたら、唯一の肯定的な解決策が何であるかを述べる勇気が最終的に誰にあるだろうか」と投稿。方向性の定まらない英国側の動きに懐疑的な姿勢を見せた。

また、欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長もツイッターで、「英国議会での採決結果を残念に思う。英国政府の意向を直ちに明確にするよう強く要請する。もう時間はない」と強い焦燥感を表明した。

欧州議会のブレグジット問題対策グループの座長を務めているギー・フェルホフスタット議員(ベルギー選出)は「今や、英国議会が何を欲しているのかを見いだす時だ」と、手詰まり状態の英国政府の状況への不信感をツイッターで発信した。

なお、欧州議会は今回の採決結果を踏まえて、1月16日午前8時30分(中央ヨーロッパ時間)からブレグジット問題の最新状況について90分間の審議を行う。欧州議会の主要会派の代表者がこの問題についての意見表明を行う予定。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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