アルクティクLNG2事業の発注進む
(ロシア、イタリア)
欧州ロシアCIS課
2018年12月26日
イタリアの石油・天然ガス分野大手コントラクター(注)のサイペムは12月19日、ロシアの独立系天然ガス採掘大手ノワテクが北極圏ヤマロ・ネネツ自治管区で実施する液化天然ガス(LNG)事業「アルクティク(北極)LNG2」について、トルコ企業と共同でLNGプラントの基礎建設工事を受注したと発表した。事業総額は22億ユーロ。
サイペムはトルコのエンジニアリング企業のルネサンスと共同で、ヤマロ・ネネツ自治管区ギダン半島西部にLNG年間生産量660万トンのプラント3基(合計1,980万トン)の基礎を建設する。コンクリート重力式(GBS)を採用し、68万7,000立方メートルのLNG貯蔵施設が含まれる。構造物の製造は、ノワテクが提供するムルマンスク港の2つの乾ドックで行われる。
アルクティクLNG2事業の関連建設工事では、12月17日にもプラントで利用される航空機の離発着場(空港)工事の入札が発表されるなど、発注作業が進んでいる。12月19日にはノワテクと、イタリアの輸出保険機関であるイタリア外国貿易保険(SACE)が戦略的協力に関する覚書に署名した。本事業を含むLNG製造分野でイタリアからの資材調達について金融面から支援する。同じ12月19日には米国ゼネラル・エレクトリック(GE)のイタリア子会社ヌオーボ・ピニョーネが、アルクティクLNG2事業向けのガスタービン20基(65~75メガワット)を、5億ユーロでノワテクから受注した。受注できた理由の1つとして、同社がガスタービン製造の現地化に前向きだったためとされる(ポータルサイト「ネフテガズ・ル」12月20日)。
(注)作業の請負業者のこと。
(高橋淳)
(ロシア、イタリア)
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