トランプ政権、イラン経済制裁の一部を再開
(米国、イラン)
ニューヨーク発
2018年08月09日
トランプ米大統領は8月6日、イランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」に基づき解除していたイランに対する経済制裁を再開する大統領令に署名した。米政府はイランに対する核開発を理由とする経済制裁を、8月と11月の2段階に分けて再開すると発表していた(2018年5月9日記事参照)。
ホワイトハウスの発表資料によれば、8月7日から再開される制裁は以下のとおり。
(1)イラン政府の米国紙幣の入手、(2)イランの金・貴金属貿易、(3)グラファイト(黒鉛)、アルミニウム・鉄鋼などの金属原料または半製品、石炭、産業用プロセス統合用ソフトウエアのイランとの取引、(4)イラン通貨リアルの売買に関係する取引、イラン国外でのリアル建ての資金または口座の維持、(5)イランの公的債務の購入・発行引き受け、(6)イランの自動車産業に関する取引。
トランプ大統領はホワイトハウスが発表した声明の中で、「イランは米国と同盟国を脅かし、国際金融システムを弱体化させ、世界中のテロ活動と過激派組織を支援している」と非難した。また、8月7日には自身のツイッターで、イランへの制裁は過去最大に厳しいものであり、「イランとビジネスを行う者は、米国とビジネスができなくなる」と発信した。
なお、イランの海運および造船部門ならびに港湾運営者、イランとの石油関連取引、外国金融機関によるイラン中央銀行との取引などを対象とした2段階目の経済制裁については、11月5日に再開される予定になっている。
(須貝智也)
(米国、イラン)
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