欧州委、EUの次期投資促進策を発表
(EU)
ブリュッセル発
2018年06月14日
欧州委員会は6月6日、2021~2027年の中期予算枠組み(MFF)における投資促進策として「インベストEU(InvestEU)プログラム」の関連法案などを発表した。同プログラムは、現行の複数の財政プログラムをまとめ、欧州戦略投資基金(EFSI)を含む欧州投資計画を発展させたものとなる(注)。
目標は民間含め6,500億ユーロの投資
このプログラムは、投資基金と関連助言サービス、プロジェクト関連情報ポータルサイトの3つの柱からなる。
欧州委は、投資基金「インベストEU基金」向けに7年間で152億ユーロの予算拠出を提案。これにより、「持続可能なインフラ」「研究・イノベーション・デジタル化」「中小企業」「社会的投資と技能」の4分野において総額380億ユーロの信用保証を提供し、民間資金などを含めて総額6,500億ユーロの投資の実現を目指す。支援対象は、市場や政策の変化に柔軟に対応できるようにするという。インベストEUでは、単一の運営組織と報告要件を採用し、統合される既存の金融手段に適用されるルールも統一される。インベストEU基金の運用は、欧州投資銀行(EIB)グループに加え、一定条件の下、欧州復興開発銀行など在欧国際金融機関、加盟国の開発金融機関などが行う。
助言サービス「インベストEUアドバイザリー・ハブ」は、EFSIを補完する「欧州投資アドバイザリー・ハブ(EIAH)」を下敷きに、現行の13のアドバイザリー・サービスを統合するものとなる。また、「インベストEUポータル」は、投資家にプロジェクトの周知を図るための「欧州投資プロジェクト・ポータル(EIPP)」を継承するものとなる。
インベストEUプログラムの詳細の関連文書は、欧州委のウェブサイトで確認できる。
(注)欧州投資計画、EFSIおよびEFSIを補完する「欧州投資アドバイザリー・ハブ」と「欧州投資プロジェクト・ポータル」についてはジェトロ調査レポート「『欧州戦略投資基金(EFSI)』の概要(1.1MB)」(2016年2月)を参照のこと。
(村岡有)
(EU)
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