中国、米国への対抗措置として128品目に追加関税
(中国、米国)
北京発
2018年04月02日
国務院関税税則委員会は、4月1日付けで「米国を原産地とする一部の輸入品の関税譲許義務を中止することに関する通知」を発表し、合計128品目に対して追加関税を課すことを決めた。同通知は4月2日から実施される。商務部は今回の対抗措置に関する意見や提案を3月31日まで広く受け付けていた(2018年3月26日記事参照)。
具体的には、米国から輸入するスイカ、リンゴ、ブドウなどの果物、ドライフルーツ、ワイン、シームレス鋼管など120の製品に対して15%の追加関税を、米国から輸入する豚肉、アルミニウムスクラップなど8つの製品に対して25%の追加関税を課す。対象品目については財政部のウェブサイトから確認できる。
商務部ウェブサイトに掲載された商務部報道官の発表によると、中国は3月26日に米国に対してWTOの関連協定に基づく補償協議を申し入れた。しかし、米国が回答を拒絶したため、協議不一致として、3月29日にWTOに関税譲許義務の中止を通報し、中国の利益の損失を補うため、米国の一部製品に対する追加関税の徴収に踏み切ったとしている。同報道官は、今回の措置がWTOメンバーとしての正当な権利であり、米国に対してWTOルールに違反する措置を速やかに撤回し、中国と米国の一部製品の貿易を正常な状態に戻すよう要望すると強調した。
中国もあらゆる対抗措置を取ることを示唆
今回の措置以外にも、米国は中国の技術移転策や知的財産権侵害について、通商法301条を発動し、中国からの一部製品に追加関税を課すことなどの措置を検討している。これに対して、商務部の高峰報道官は3月29日の同部定例記者会見で、WTOルールに公然と違反する悪辣(あくらつ)な行為で、保護主義の連鎖反応を引き起こしかねないとの懸念を表明し、仮に発動した場合には、米国国内の原材料や消費財の価格上昇を招き、米国の製造業と消費者に悪影響を及ぼすと指摘した。その上で、中国はあらゆる適当な措置を取り、断固として国家と人民の利益を守ると強調しながら、米国が踏みとどまるように希望するとし、さもなくば徹底的に対抗措置を取るとしている。協議による回避を望みながらも、妥協は一切許さない姿勢を示しており、今後の両国間の協議の進展が注目される。
(宗金建志)
(中国、米国)
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