″縁起の良い″日本産水産物が2021年度も香港と台湾向け輸出増加に貢献

2022年04月19日

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は、日本産ホタテ、ブリ(ハマチ)、タイ(以下3魚種)の消費拡大を目的とするプロモーションを継続的に実施しています。
香港・台湾ともに縁起を重んじる春節の時期に合わせ、ホタテは“順風満帆"、ブリ(ハマチ)は “立身出世”、タイは “長寿富貴"の縁起物として訴求し、現地の日本産水産物の売上増加に貢献しました。
なお、2021年4月~2022年2月までの香港・台湾向け水産物の輸出額は前年比25%増の315億円、うち3魚種は同46%増の59億円と大幅に増加しました。*1

*1:財務省貿易統計2020年4月~2021年2月、2021年4月~2022年2月

2021年度の香港・台湾の市場概況

香港では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた2020年の反動により、2021年の飲食店の売上高は40%程度上昇しました。*2しかし、2022年に入り最大の商戦期となる春節の時期においてオミクロン株の感染拡大により飲食店の営業時間や1テーブルあたりの人数が制限されるなどの規制が敷かれたため、特に飲食業界には逆風の中での営業を強いられることとなりました。
台湾では、2020年は同感染症の影響は少なかったものの、感染の拡大に伴い規制が強化された2021年は、飲食店では7%減、小売店では巣ごもり需要の影響により5%増という状況でした。*3台湾の春節前後は新規感染者数が低水準だったため、厳しい営業規制が敷かれることはなく、飲食店・小売店への影響は比較的小さくとどまりました。
このような状況の下、香港では286店舗、台湾では557店舗の現地の飲食店・小売店に協力いただき、日本産3魚種のプロモーションを実施しました。
香港では、2021年に新店オープンが大きな話題となったDON DON DONKIや連日行列ができるスシロー香港などをはじめ、多数の人気店に3魚種プロモーションへ参加いただきました。
台湾では、ECサイトと実店舗の両方を運営する安永鮮物や日本でも人気のチェーン店である、くら寿司に同プロモーションへ参加いただきました。

*2:香港政府統計處食肆的收入及購貨額 按季統計調查報告 2021年第4季および零售業銷貨額 按月統計調查報告 2021年12月より
*3:台湾經濟部統計處 批發、零售及餐飲業營業額統計より

日本産3魚種を縁起物としてプロモーションを実施

香港のDON DON DONKIでは、お店の公式キャラクター(ドンペン)とJFOODOが開発した3魚種のキャンペーンキャラクターの両方がデザインされたオリジナル携帯用食器セットを制作し、3魚種を購入いただいたお客様にプレゼントしました。また、スシロー香港では、2022年の新春初売りとして3魚種を打ち出したほか、店内のデジタルサイネージや注文パネルに3魚種のキャラクターを登場させました。
台湾の安永鮮物ではECサイトでのバナー掲出やYouTubeチャンネルでレシピ動画を紹介し、さらに実店舗では3魚種のPOPを掲出しました。くら寿司では、縁起の良いホタテを春節の際のお祝いメニューとしてPOPやSNSで紹介しました。また、しゃぶ葉では、期間限定で北海道産のホタテの刺身を提供し、注文されたお客様には3魚種のアイコンがデザインされた紅包(お年玉袋)をプレゼントするキャンペーンを実施しました。

参加事業者から「JFOODO制作のPOPやバナーが売り上げ増加に貢献」という声

以下、プロモーション参加店舗からの、本施策についてのご意見を紹介します。

香港
3魚種全体で売上増。3魚種のPOPは色鮮やかで店内でとても目立っていると感じました。開運という要素にひかれて購入されるお客様もおり、栄養や産地など3魚種をもっと知っていただくことでさらなる売上につながると思う。(大手量販店)
ホタテの売上が前年対比で4倍近く増加し、ブリ・タイも倍増に近い好調な売れ行きとなった。(大手寿司チェーン)
台湾
ホタテはロングセラーでお客様にも馴染みのある食材だが、3魚種の開運を紹介したPOPを設置することで、日本産であることがお客様に再度印象付けられたためか、6%の売上増につながった。(大手寿司チェーン)
3魚種のPOPはお客様の目を引いて5%の売上増を達成。店舗スタッフにもデザインの受けが良く、これからも設置していきたい。(大手飲食店チェーン)
ホタテのアイコンを入れたバナーなどでプロモーションを実施したホタテの売上が前年対比で1.5倍以上になった。(ECサイト)

消費者からも「”開運”にひかれて購入した」という声

日本産3魚種について、プロモーション参加店舗に消費者から届いた声を紹介します。

香港
特に春節前は“開運”と言われると買いたくなる。パッケージに3魚種のシールが貼られていると間違えずに買えるのでうれしい。(大手量販店の利用客)
店内の注文端末に表示されたブリが日本らしいデザインでおめでたい感じが気にいって、初めてブリを食べてみた。思っていた以上に脂が感じられて、とても美味しい。(大手寿司チェーンの利用客)
台湾
日本で縁起が良いとされる文化も面白いし、3魚種のPOPで日本産とわかるので安心して食べられる。(大手寿司チェーンの利用客)
日本の寿司や刺身は魚の骨を除いたりする必要がなく、子供でも安心して食べられるのがうれしい。(大手飲食店チェーンの利用客)
開運というバナーにひかれてホタテを購入しました。また購入したいと思ったので会員登録しました。(ECサイト)
JFOODOとは
「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」は、2017年4月1日付で日本貿易振興機構(ジェトロ)に設置された日本産農林水産物・食品のブランディングのためにオールジャパンでの消費者向けプロモーションを担う組織です。
日本の農林水産物・食品の輸出拡大のためには、海外での更なる需要創出が必要です。
JFOODOは、海外消費者向けのプロモーション強化を通じて需要を喚起し、日本の農林水産物・輸出拡大に貢献してまいります。
担当部課
JFOODO 海外プロモーション事業課 渡邉、津村、藤原
Tel: 03-3582-8345 E-mail: JFB@jetro.go.jp