EUの2022年第4四半期GDP成長率は前期比マイナス0.1%、ユーロ圏は横ばい

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2023年03月09日

EU統計局(ユーロスタット)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは3月8日、2022年第4四半期(10~12月)のEU27カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比マイナス0.1%と発表した(添付資料表1参照)。ユーロ圏(2023年1月に導入したクロアチアを除く19カ国)の実質GDP成長率は、前期から横ばいの0.0%だった。EUの成長率は第2四半期の0.7%以降、2期連続で成長が鈍化し、当期でマイナス成長となった。

また、2022年通年のEUとユーロ圏の実質GDP成長率は、ともに前年比3.5%となった。

EUの第4四半期の実質GDP成長率(前期比)を需要項目別でみると、個人消費と総固定資本形成が、前期の0.7%増、3.5%増からそれぞれ0.8%減(寄与度:マイナス0.4ポイント)、2.8%減(マイナス0.6ポイント)と大幅に縮小した。政府消費支出は、前期の0.2%減からプラス成長に転じ、0.7 %増(0.1ポイント)となった。輸出は前期の1.9%増から0.0%、輸入は前期の3.9%増から1.9%減となり、いずれも縮小した。

EUの第4四半期の実質GDP成長率(前期比)を国別でみると、加盟国間でばらつきがみられる(添付資料表2参照)。ポーランド(マイナス2.4%)や、エストニア(マイナス1.6%)など9カ国でマイナス成長となった一方で、ギリシャ(1.4%)やマルタ(1.2%)などの4カ国では1.0%以上の成長率となった(ルクセンブルクは未発表)。ユーロ圏の主要4カ国では、スペイン(0.2%)、フランス(0.1%)がプラス成長を維持したものの、イタリア(マイナス0.1%)、ドイツ(マイナス0.4%)はマイナス成長を示した。

雇用はわずかに拡大

2022年第4四半期のEUとユーロ圏の雇用者数の伸び率をみると、EU、ユーロ圏でともに前期比0.3%増となった(添付資料表3参照)。国別でみると、ポルトガル(前期比0.8%減)、ラトビア、リトアニア(ともに0.5%減)などの6カ国で雇用者数が減少した。1.0%を超える増加となった加盟国は、マルタ(1.6%増)だけだった。

なお、ユーロスタット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが3月2日に発表した2023年1月の失業率(季節調整済み)は、EU全体で6.1%、ユーロ圏(クロアチアを含む20カ国)で6.7%となり、前期からそれぞれ横ばいになっている。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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